ウェイウェイは、4月16日に米・ペンシルベニア大学が開催したウェビナー「コロナウイルスがもたらす危機と難民女性の暮らし」に登壇し、ロヒンギャ難民キャンプへの支援を求めました。
ミャンマーとバングラデシュの国境に逃れている約100万人のロヒンギャ難民。ウェイウェイは、パンデミックの影響で難民の女性の生活環境がこれまでよりも一層厳しくなっていると話しました。具体的には、雇用の喪失、プライバシーの確保や社会活動の場の減少、家庭内暴力の増加などの深刻な問題が起こっています。
隣国のバングラデシュやタイは、劣悪な環境の難民キャンプからコロナウイルスが自国に広がることを懸念し、ロヒンギャへのヘイトキャンペーンまで起きています。またバングラデシュでは、4月に入り一日の国内感染者数が5000人を超え、その対応に追われロヒンギャへの支援が進んでいない現状があります。ウェイウェイは、難民キャンプの衛生環境の改善や基本的なインフラ整備の支援の必要性を強く訴えました。
また、3月23日に起きた難民キャンプを襲った大火事により、状況はより悪化しています。UNHCRによれば、大火事で少なくとも100人が亡くなり、45,000人が家を失いました。
今回のクーデターにより、ロヒンギャの虐殺を指示・実行した軍が政権を握ったことで、ロヒンギャ難民のミャンマーへの帰還はより一層実現の見通しが難しくなりました。長期間脆弱な環境での生活を強いられているロヒンギャの現状に目を向け、必要な支援を迅速に届けることが求められています。
【参考】
・Human rights activist discusses pandemic’s impact on refugee women at Perry World House event
編集後記(あとがき)
ミャンマー国軍総司令官のASEAN首脳会議への参加表明をめぐり、ASEAN各国や日本、および国際社会の対応に注目が集まります。国連もASEANの連携に期待するという表明を出しましたが、地域機関であるASEANがどこまで行動を起こすことができるか、期待が高まっています。また、国内でもテレビでミャンマー特番の放送やニュースで人権NGOによる記者会見が取り上げられるなど、ミャンマー情勢への認識が高まっていると感じています。
短期的な解決が見込めない問題ではありますが、世界がミャンマーに関心を持ち続けること、そして現地からの声を無視しないことが求められているのではないでしょうか。
IMPACT HERO支援担当・島田 颯