【ご報告】IMPACT HERO 2026、発表!
現在、紛争や自然災害が深刻化し、米国政府による国際機関への支援も大きく縮小する中、脆弱な立場にある人々ほど影響を強く受け、途上国の現場はかつてないほど厳しい状況に置かれています。
そんな中でも、困難に直面する一人ひとりと深く向き合い、人生をやり直す支援を届けている人物を、今年のインパクトヒーロー・オブ・ザ・イヤーとして発表できることを心から誇りに思います。しかも今回は、記念すべき10人目!
さらに昨年に引き続き、特筆すべき取り組みを進めるもう一人を“準”IMPACT HERO 2026として選出しました。
それでは、私たちが選び抜いたヒーローたちの物語を、どうぞご覧ください。
👑IMPACT HERO 2026 : Watcharapon Kukaewkasem
名前 :ワチャラポン・クカウカセーム(シア)
活動国:タイ
団体 :Freedom Restoration Project
DV被害にあう移民女性と子どもたちに、タイ国境で安全と尊厳を取り戻す居場所を届けるアカ族リーダー
タイ国境のアカ族移民家庭に生まれたシアは、幼少期から家庭内暴力を目の当たりにして育った。母親は言葉の壁と法的地位の不安定さのため助けを求めることができず、暴力は長いあいだ見過ごされてきた。
教育と癒しのプロセスを重ねるなかで、シアは自身の経験を、同じ立場にある人々を支える力へと変えていった。
移民や難民が多く、法的保護や社会サービスが行き届きにくい状況にあるタイ国境地域では、家庭内暴力が深刻な課題となっている。
特にミャンマーからの移民女性や子どもは、保護制度にアクセスしづらく、暴力的な環境から抜け出せない状況に置かれている。
2017年に設立したFreedom Restoration Projectは、国境地域では数少ない、家庭内暴力の被害女性に長期的かつ包括的な支援を提供する団体として、一時滞在シェルターでの居場所や心理的ケア、タイ語教育、職業訓練を提供している。
IMPACT HERO 2026 選出理由
・”いま”求められる、命と尊厳を守る支援
ミャンマー軍のクーデター以降、数万人規模の避難民がタイ国境に流入し、支援ニーズが急増する一方、国際援助の縮小で支援の現場は厳しさを増しています。そうしたなか、シアは、DVを受けた女性、無国籍の人々、シングルマザーなど、制度の狭間で取り残されやすい女性や子どもたちに寄り添い、命と尊厳を守る活動を続けています。
・緊急支援から自立までを支える支援内容
緊急避難から安全な一時滞在、トラウマケア、教育、職業訓練までを一貫して提供し、女性たちが危機的な状況から逃れるだけでなく、自分の人生を取り戻し自立へ向かうまでを切れ目なく支える包括的な支援を届けています。
・課題の原体験を持つ当事者リーダー
自身も幼少期に家庭内暴力を目の当たりにして育ったシアは、同じ痛みを知る当事者として、苦境にある女性や子どもたち一人ひとりに深く寄り添ってきました。その誠実なリーダーシップと行動力で、これまでに400人以上の女性へ深い支援を届けています。
・支援規模拡大のための成長フェーズ
現在、シアの活動は、より多くの女性たちを支えるための組織基盤づくりや、自立的な収益モデルの強化を必要としています。Earth Companyがこれまで培ってきた伴走支援の経験を活かすことで、活動の持続性とインパクトの拡大に大きく貢献できると考えています。
シアからの受賞メッセージ
皆さん、こんにちは。私は今、タイとミャンマーの国境・メーソットにあるFreedom Restoration Projectの一時滞在シェルターにいます。ここには、8軒の小さな家があり、家庭内暴力から逃れてきた8人の女性と22人の子どもたちへ安全な居場所として提供しています。
しかし、近年の急増する支援ニーズに応えきれず、昨年は、25人の女性と60人の子どもたちを受け入れられずにお断りせざるを得ませんでした。
改めまして、Freedom Restoration Projectの代表理事のシアです。
私たちの夢は、一時滞在シェルターをもっと建てることではありません。いまシェルターにいる女性たちが人生を立てなおし、安全な居場所を必要とするより多くの女性たちへ支援の輪を広げることです。
IMPACT HERO 2026に選ばれたと聞いた時、これから2年半の間にどんなことが起きるか楽しみで、胸のどきどきが止まりませんでした。そして、この賞は私一人のものではなく、暴力を乗り越えて、もう一度人生を立て直そうとする勇気を持った、すべての女性と子どもたちのものだと感じています。
ぜひ、私たちFreedom Restoration ProjectがEarth Companyと一緒に、よりリジェネラティブな組織へと変容する過程を見守ってください。
本当に、ありがとうございました!
======================
Earth Companyは、2028年12月までの約2年半にわたり、IMPACT HERO 2026 ワチャラポン・クカウカセーム(シア)とともに、タイ・ミャンマー国境地帯で家庭内暴力の被害に遭った女性たちへ、包括的な支援を届けていきます。
そしてさらに皆さんにご紹介したいヒーローがいます!特に称賛に値するチェンジメーカーとして、今年「準インパクト・ヒーロー2026」として選ばれたのは―。
🏅準IMPACT HERO 2026 : Kumar Paudel
名前 :クマール・パウデル
活動国:ネパール
団体 :Greenhood Nepal
ネパールで密猟と権力に立ち向かい、科学と政策の力で絶滅危惧種の命を守る、正義の研究者
ネパールと中国の国境沿いの村で育ったクマールは、幼い頃から野生動物と共に暮らしてきた。子どもの頃、センザンコウ*が密猟され違法取引される光景を目にした経験が、彼の保全への決意を決定づけた。
ネパールは世界有数の生物多様性を誇る一方、違法な密猟と野生動物取引により多くの種が絶滅の危機に瀕している。なかでもセンザンコウは、年間約17,000頭が密猟されていると推定され、その被害は深刻である。
こうした状況を変えるべく、クマールはGreenhood Nepalを設立。専門家集団を率い、科学的根拠に基づく保全活動を全国の国立公園の6割で展開してきた。あわせて、違法取引の実態や野生動物保護の重要性を社会に発信し、13年間でメディアやキャンペーンを通じ1,000万人以上に情報を届けている。
さらに、レンジャーや警察、行政職員、地域住民など1,200人の実務関係者を育成するとともに、査読論文30本を発表するなど、長期的な保全体制の構築に取り組んでいる。
*センザンコウ:全身をうろこに覆われた哺乳類。主にアリやシロアリを食べる。世界で最も密猟されている哺乳類と言われ、現在は絶滅危惧種に指定されている。
準IMPACT HERO 2026 選出理由
・科学的知見と現場力を兼ね備えた活動家
クマールは、ネパールの野生動物保護において、科学的な知見と現場での行動力を兼ね備えたリーダーです。元首相が保護動物の毛皮を所持していた問題をめぐり最高裁に提訴し、勝訴を勝ち取るなど、既得権益に屈せず社会の不条理に立ち向かってきました。
・課題解決のための包括的な解決策
密猟や違法取引の背景にある「知識不足」や「地域社会と自然との断絶」に目を向け、密猟に関わった受刑者への聞き取り調査をもとに、伝統音楽や絵本を活用した啓発活動を行い、地域の人々が密猟者から自然を守る担い手となることを目指しています。
・全国規模でインパクトを拡大するポテンシャル
クマールは現在、ネパールの国立公園の約6割と連携して活動を進めており、将来的には全国規模への拡大を構想しています。
IMPACT HERO 2026 ワチャラポン・クカウカセーム(シア)への支援は、7月中の開始を予定しています。これから2028年12月まで、約2年半にわたってEarth Companyがシアへ届ける支援の活動状況は、インパクトヒーロー支援事業のInstagramアカウントで随時発信していきます。ぜひフォローして、最新情報をご確認ください。