2026年5月18日

【ご報告】ヒーローズ・バリキャンプ2026開催! 9名のチェンジメーカーが、 学びと出会いを活動の力に変えた5日間

2026年4月21日~25日の5日間、IMPACT HEROES 2026期生として選ばれた9名のチェンジメーカーたちをバリに招待し、「ヒーローズ・バリキャンプ 2026」を開催しました。同キャンプは、「リジェネラティブな未来づくり」を牽引するチェンジメーカーたちを支援する、Earth Companyのリーダーシップ・プログラムの一環です。

ヒーローズ・バリキャンプとは?

Earth Companyは、毎年アジア太平洋各地で変革を起こすチェンジメーカーたちを最大10名選出し、「Lead-to-Regenerate(“リジェネレーションを牽引する”。略してL2R)」と冠した1年間のリーダーシップ・プログラムを提供しています。

そんなL2Rのハイライトである「ヒーローズ・バリキャンプ」では、IMPACT HEROES 2026期生がバリ島に集結し、リジェネラティブな未来を目指すリーダーとして、自分自身のあり方を見つめ直し、仲間とのつながりを育み、事業インパクトの拡大に必要な知見やリソースを得る5日間のプログラムとなっています。

IMPACT HEROES 2026期生についての詳細はこちら

目次

1. プログラムの目的
2. プログラム内容
3. ヒーローたちの声
4. おわりに

 

 

1.  プログラムの目的

 

今年で5回目の実施となったヒーローズ・バリキャンプの目的は、大きく以下の3つです。

  • ヒーローたちが自分自身を振り返り、リーダーとしてのあり方を見つめ直す機会をつくる
  • ヒーロー同士のつながりを深め、国や分野を越えて支え合える関係性を育む
  • 事業インパクトの拡大に必要な知見やリソースを提供する

IMPACT HEROES 2026期生には、2026年1月以降、個別の支援ニーズの聞き取りや準備を重ねながら、ヒーローズ・バリキャンプまでに4回のオンライン講座を実施。講座では、活動理念と事業、組織運営、資金調達や広報など、ヒーローたちがそれぞれの現場で活動を続け、より大きなインパクトにつなげていくために必要な知識やスキルを共有してきました。

同キャンプでは、こうしたオンラインでの学びや事前の支援ニーズ調査を踏まえ、ヒーローたち1人ひとりに合わせたメンタリングや、専門家・支援者とつながる機会を提供。同時に、ヒーローたちの多くがバーンアウト(燃え尽き症候群)を経験していることを踏まえ、日常から離れた環境で自分自身のウェルビーイングについて向き合い、支えや癒しを感じられる場づくりも意図的に設計しました。

 

 

2. プログラム内容

 

<DAY 1>

 

ウェルカムディナー

7カ国9名のヒーローたちが、バリ島のMana Earthly Paradiseに到着。プログラム開始前からすでにヒーロー同士の交流が自然に生まれ、Manaの庭から笑い声が聞こえてくるほど、楽し気でわくわくした雰囲気を感じました。

宿泊地のMana Earthly Paradiseの施設紹介ツアーの後、Earth Companyチームを交えてのウェルカムディナー。会話が盛り上がるなかで、仕事の話だけでなく、それぞれの人柄や背景にも触れ合う時間となりました。

 

<DAY 2>

 

ライフストーリー共有セッション

2日目、オリエンテーションの後、「リバー・オブ・ライフ」を用いたライフストーリー共有セッションを行いました。

「リバー・オブ・ライフ」とは、自分の人生を1本の川に見立て、これまでの歩みを絵で表しながら振り返る手法です。ヒーローたちは、自身の人生における出会いや経験、転機、困難、学びなど、現在の活動の原点となる出来事や想いを絵にし、共有しました。語る側も聞く側も、しばしば涙し、パーソナルな部分を分かち合うことで、国や分野を越えた9名の間に、互いを深く理解し、支え合う気持ちが生まれてきたことを感じました。

 

バリ島の文化理解セッション

午後は、バリ島の文化にまつわる体験や学びを提供するFive Pillar Experienceからイ・プトゥ・ウィラグナ氏を迎え、バリ島の文化理解セッションを行いました。ヒーローたちは、バリ島で大切にされてきた自然、土地、人、祈りのつながりについて学び、花や葉で作るバリ・ヒンドゥーのお供え物「チャナン」作りや、祈りの時間を体験しました。

単なる文化体験ではなく、バリ島の人々が暮らしの中で大切にしてきた価値観に触れることで、ヒーローたちは、自分たちの活動と土地、文化、人々の暮らしとのつながりを見つめる時間となりました。

 

<DAY 3>

 

NGOリーダーからのウェルビーイングに関するセッション

3日目は、国際NGOの代表の経験を持ち、社会起業家のメンタルヘルスに関する調査を行うザ・ウェルビーイング・プロジェクトへも参画しているエレナ・ボノメティ氏による、リーダーのウェルビーイングをテーマにしたセッションから始まりました。社会変革の最前線で働く人々の心身の健康を犠牲にせず、組織としてウェルビーイングを大切にする文化を育んできた経験を共有していただきました。

 

メンタリング・セッション(個別伴走支援)

その後、事前に行った支援ニーズの聞き取りをもとに、各ヒーローに合わせたメンタリング(個別伴走支援)を実施。
以下のような個別支援を提供しました。

  • 助成金に依存した脆弱な体制を脱却するための長期的なファンドレイジング計画(財務計画)の立案と営業資料の作成
  • 村の女性の主要な死因である乳がん・子宮頸がんの啓蒙プログラムの実現にむけた計画立案
  • 事業収益を確保するための新規ソーシャルビジネスの実現までのロードマップづくり

メンターは、Earth Companyメンバーに加え、非営利組織専門のコンサルタント、NGOリーダー、元経営者などそれぞれの分野のエキスパートが担当しました。

 

DAY 4

 

リジェネラティブ・リーダーシップと組織づくり

4日目の朝は、「リジェネラティブ・リーダーシップと組織づくり」のセッションから始まりました。ヒーローたちは、自分自身のリーダーとしてのあり方だけでなく、資金面、チームづくり、意思決定、日々の運営、活動の成果の伝え方など、自分たちの組織の状態にも目を向けました。

チェックリストを活用しながら、それぞれの団体がリジェネラティブな組織に変容していくために必要な視点や施策を議論しました。

 

ブミセハット国際助産院への訪問

午後には、IMPACT HERO 2016のロビン・リム氏が設立した、低所得者層へ無料の医療サービスを届けるブミセハット国際助産院を訪問しました。

産科医療にとどまらず、地域のウェルビーイング実現のために包括的な支援を届けてきた実例を学んだ後、助産院内を見学し、ロビン氏とのQ&Aの時間も設けられました。ヒーローたちは、母と子の命を支える現場に触れながら、社会課題の根本に向き合い、長く活動を続けていくリーダーの姿勢について学びました。

 

ヒーローズ・ナイト @Mana Earthly Paradise

4日目の夜には、「ヒーローズ・ナイト 2026」を開催。当日はIMPACT HEROES 2026期生の9名が登壇し、1人につき10枚のスライドを各20秒で発表し、自身の歩み、取り組む社会課題、そして活動を続ける理由を語りました。

なかでも、タイ国境でDV被害を受けた移民女性や子どもを支えるシアは、幼少期に家庭内暴力を目の当たりにした経験が、現在の支援活動につながっていることを語りました。自身の痛みを、同じように苦しむ女性や子どもを支える力へと変えてきた壮絶な歩みに、会場は静まり返り、涙を浮かべながら耳を傾ける参加者の姿も。

また、インドネシア・スラウェシ島中部のポソで女性の教育と平和づくりに取り組むリアンは、紛争の記憶を乗り越え、女性たちが地域を変える力を育ててきた歩みを力強く伝えました。

発表後、交流の時間では、感銘を受けた参加者がヒーローたちのもとを訪れ、活動への質問や今後の協力の可能性について話し込む姿が見られました。ヒーローズ・ナイトは、ヒーローたちの活動を知るだけでなく、来場者1人ひとりが「今自分ができること」を考える時間となりました。

「ヒーローズ・ナイト 2026」参加者の声を一部ご紹介!

  • 「娘と一緒に参加しました。普段、娘は世界を変えた女性やヒーローの本を読んでいるのですが、今日ステージに立っていた皆さんは、今まさに世界を変えている“本当のヒーロー”だと感じました。」
  • 「団体の活動だけでなく、ヒーロー1人ひとりの人生や、その活動にたどり着くまでの背景を聞けたことが印象的でした。活動の裏にある個人の物語に触れられたことが、とても大きかったです。」
  • 「私はまだ高校生ですが、ヒーローたちの話を聞いて、自分の人生で何ができるのかを考えるきっかけになりました。」

 

 

<DAY 5>

 

「マインド・カインドネス」セッション

最終日の朝は、マインドフルネスの専門家であるドクター・ホームによる「マインド・カインドネス」セッションから始まりました。マインド・カインドネスとは、呼吸や内省を通じて、自分の心の状態に気づき、落ち着いた状態で物事に向き合うための手法です。

セッションでは、「癒しは、自分の感情に気づくことから始まる」「自分が持っていないものは、他者に渡すことができない」といった言葉を手がかりに、ヒーローたちは自分の内側に静かに目を向けました。人や地域を支え続けるリーダーだからこそ、助けを求めることや、自分自身にも必要な休息や支えを与えることの大切さを学ぶ時間となりました。

 

最終振り返り

「マインド・カインドネス」セッションの後には、5日間の締めくくりとして、全体での振り返りを行いました。

ヒーローたちは、キャンプを通して得た学びや気づき、仲間とのつながりを1人ずつ語りました。そこで共有されたのは、知識やスキルだけではなく、競争ではなく支え合えたこと、国や分野を越えて家族のような関係が生まれたこと、そして活動を続けるためには自分自身を大切にする時間も必要だという気づきでした。

笑顔と涙が交わるこの時間は、ヒーローたちが互いを支え合う仲間になっていったことを感じさせる、あたたかな締めくくりとなりました。

 

 

3. ヒーローたちの声

 

バリキャンプ について語ってくれたヒーローたちの言葉を一部ご紹介します!

「最初は、9名の中から1名が選ばれる競争のように感じていました。でも実際に参加してみると、そこにあったのは競争ではなく、互いを応援し合う関係でした。国も活動分野も違う私たちが、それぞれの経験や個性を持ち寄り、家族のようなつながりを育めたことを、これからも大切にしていきたいです。」

シア・クーカウケーサム / タイ

「このキャンプで大きな気づきだったのは、活動分野や国が違っていても、社会課題に向き合うリーダーたちは、似たような悩みや重荷を抱えているということでした。自分だけではないと感じられたこと、そして互いに励まし合える関係が生まれたことは、これから活動を続けていくうえで大きな支えになります。」

チャン・グエン / ベトナム

「このキャンプを通して、自分自身のウェルビーイング、組織の持続性、そして現場でインパクトを届け続けることは、深くつながっているのだと実感しました。活動を広げていくためには、現場での取り組みだけでなく、組織を支える仕組みや、自分自身を大切にする視点も必要なのだと学びました。」

クマール・パウデル / ネパール

 

4. おわりに

 

今回のバリキャンプは、ヒーローたちにとって、自分自身の歩みを振り返り、仲間と支え合いながら、これからの活動に必要な視点やつながりを受け取る5日間となりました。

Earth Companyは、ヒーロー1人ひとりのニーズに寄り添いながら、資金調達や発信、組織運営に関する知識の提供、専門家によるメンタリング、国や分野を越えたつながりづくりを大切にしています。同時に、社会課題の現場で活動を続けるヒーローたちが、一度立ち止まり、自分の心や体にも目を向けられる時間を届けることも、同キャンプの大切な目的です。

この後L2Rプログラムの前半が終了する6月末には、この9名のヒーローの中から「IMPACT HERO 2026」1名が選出されます!発表まで、どうぞ楽しみにお待ちください。

引き続き、リジェネラティブな未来づくりに挑むヒーローたちを、温かく見守り、応援していただけますと幸いです。また、IMPACT HERO支援事業の最新情報は、インスタグラムでも発信してきます。ぜひフォローをお願いいたします!