2025年12月4日

【ご報告】IMPACT HERO 2024期生の1年間のインパクトを一挙公開!

昨年12月、Earth CompanyはIMPACT HERO 2024期生の7人へ、1人あたり3000米ドル、総額 21,000米ドル(日本換算3,249,640円) の助成金を提供しました。アジア太平洋の社会課題の最前線で、ヒーローたちがどのようなインパクトを生み出すことができたのかをここにご報告いたします!

※円換算は送金時点の為替レートに基づきます。

 

概要

 

本助成金は、Earth Lovers(継続寄付者)の皆さまからのご支援で実現することができました。

ヒーロー一人ひとりと丁寧に構想を練り、彼らとそのコミュニティにとって本当に意味があり、将来の活動拡大にもつながるプロジェクトへ支援を届けました。生み出された成果をぜひご覧ください!

【ご報告】Earth Loversの皆さまからのご寄付を7団体へ届けました!(2024年12月公開)

 

プロジェクトの目次:

  1. 次世代型の教育開発(インド)
  2. 貧困層の金融包摂(インド)
  3. 環境保護の次世代リーダー育成(フィリピン)
  4. 農村部での飢餓解決(フィリピン)
  5. 気候変動への適応 (ソロモン諸島)
  6. DV・性被害者の支援拡大(インドネシア)
  7. HIV陽性者のコミュニティ形成(インドネシア)

 

1. 次世代型の教育開発(インド)

 

「人生の智慧(ちえ)」を記録し「豊かに生きる」ための教育の研究者であり実践者でもあるディーパック・ラモラ

現代社会の発展に伴い、地域で受け継がれてきた伝統文化や自然と共生する智慧が急速に失われつつあります。こうした状況に対し、ディーパックはこれらの文化や知恵を「絵本」として記録し、次世代へ継承することを目的に、インド各地の教師など12名を対象とした2ヶ月間のオンラインプログラムを開催しました。

このプログラムを通じて、計8冊の絵本が完成。絵本は参加者それぞれの学校で配布されたほか、地域の図書館での配布や読み聞かせ会を通じて、700人を超える子どもたちへ届けられました

<プログラム参加者の声>
「子どもたちの創造性を育むためには、教師自身がストーリーテラー(物語の語り部)であることが必要だと気づきました。学校で求められている自分の役割を再認識し、今後子どもたちへの読み聞かせクラブを立ち上げたいです。」

左:全8回のオンライン講義を通じて、智慧を絵本の物語に落とし込む方法を伝授
中央:地域の文学祭で作成した絵本の展示会を実施。100人以上がブースを訪問
右:作成した教員本人からの読み聞かせ会を開催

 

2. 貧困層の金融包摂(インド)

 

「医療費が出せず失う命を救う」ためにインド貧困層へ革新的な健康保険を提供するリアン・タンヴン

インドでは、多くの低所得者層が銀行口座を開設できず、与信がないために融資や保険に加入できないという現実があります。緊急で医療費が必要になった際は、高利貸しからお金を借りざるを得ず、返済に追われて生活が破綻してしまうケースが後を絶ちません。

リアンが運営する QONECT は、利用者に代わって金融機関へ担保を提供することで、即日加入できる医療ローンや少額融資(マイクロクレジット)を 利用できる仕組みを整えています。今回の助成金により、新たに47人がこの金融サービスに加入することができました。

<利用者の体験>
マニプール市に暮らす30代の警備員・ライアンさんは、幼稚園に通う子どもが突然倒れ、緊急の診察が必要になりました。しかし、手元には十分な資金がありませんでした。
病院でこのサービスを知り、その場で申し込みを完了。即日約50,000円の医療ローンを借り入れることができ、子どもにすぐに適切な医療を受けさせることができました。そのおかげで大事には至らず、家族の生活も守られました。

左:息子が病気になった父親へ即日加入可能な医療ローンのサービスを紹介をするリアン
中央:医療ローンを利用し、病院に入院することができた患者
右:北東インドの紛争地域に住む高齢者。融資を得て病院までの移動費と医療費を賄うことができた

 

3. 環境保護の次世代リーダー育成(フィリピン)

 

フィリピンの “最後の秘境” と呼ばれるパラワン島で、命懸けで自然を守り続ける環境弁護士ボビー・チャン

固有種の宝庫ともいわれるほど生物多様性にあふれるパラワン島の自然は、違法伐採や違法漁業によって深刻な危機にさらされています。ボビーが運営するPalawan NGO Network(PNNI)は、森林や海を監視し、環境法に基づいて自然破壊行為に介入して、現場でチェーンソーや火薬を押収するなどの活動を行っています。

2025年は、未来の自然保護活動を支える次世代育成に注力しました。6名の学生インターンを対象に3つの研修を実施し、環境弁護士であるボビー自らが、法的な観点から適切な介入方法を指導。また、実際に PNNI が監視する森林を訪問し、現場のリアルな状況を共有しました。

参加者の1人は、現在ボランティアとして団体の法務部門の補助業務に携わり、チームの一員として精力的に貢献してくれる存在へと成長しています!

左:環境弁護士のボビーから現場にいる若者へ直接レクチャーを実施
中央:PNNIのメンバーが監視する山奥を実際に訪問するインターンたち
右:環境保護を訴えるTシャツを掲げ、同世代の若者へ課題を伝えるインターン生

 

2025年アップデート:ボビーの命をかけた活動を追ったドキュメンタリー映画が東京で上映!

2025年6月、PNNIの環境保護の活動を追った映画「デリカド」の上映会が東京で行われ、ボビーも来日。Earth Companyチームメンバーも参加しました。フィリピンの失われゆく自然を命がけで守るボビーとPNNIチームの活動に、会場の多くの人が胸を打たれ涙しました。

上映会と合わせて行われた上映後トークの様子はこちら(外部サイト:United People)

 

 

4. 農村部での飢餓解決(フィリピン)

 

フィリピンの貧困地域に革命をもたらすのは、元ニューヨークの金融業界出身のアイーシャ・ヴェラーユ

フィリピンの農村部では、4人に1人が貧困状態にあり、1日250円以下で生活していると言われています。アイーシャの運営するNGO ARKは、家庭菜園で収穫した野菜を地域住民の間で物々交換し、貨幣経済に頼らずに食料を手に入れられるプログラムを確立。行政や地域コミュニティと連携し、フィリピン全土で展開可能な貧困解決策として成長しています。

今回の助成金を活用し、6つの市町村で合計5,123世帯に対して、プログラムを提供しました。

<地域住民の声>
「2週間で29キロの野菜を収穫でき、余った分を他の食料と交換したり、販売して収入を得たりすることができました。缶詰や袋麺ばかりだった食事から、子どもたちに栄養価の高い食事を作れるようになりましたし、増えた収入で学費や子ども用のミルクも購入できるようになりました!」

左:6市22の行政地区で交換会を実施
中央:収穫した野菜を持ち寄り、地域コミュニティーの間で交換する「フィードバック・プログラム」
右:1家庭あたり約3kgの野菜を持ち込み、交換会に参加した家庭同士でシェア

 

5. 気候変動への適応 (ソロモン諸島)

 

気候変動によって沈みつつあるソロモン諸島の伝統文化を守るため活動するミリセント・バートリー

活動地域のひとつであるマライタ州リリシアナでは、深刻な海岸浸食が進み、既に23メートルもの海岸線が失われていました。応急措置として、地域住人と連携しココナッツの幹や石、砂袋を用いた簡易的な護岸壁を建設。その後、ドラム缶とセメントを使った応急的な護岸壁を作成し、将来的には国の予算を活用して本格的な護岸工事を進める計画が立てられていました。

今回の助成金を活用して、行政官や村長らが一堂に会する会合を開催。被害の現場状況を行政へ直接説明し、支援を求めた結果、気候変動対策の予算から2,270万円の支援が決定!今後3年間で、60メートルに及ぶ海岸線の護岸工事に取り組むことが正式に承認されました。

本取り組みは国際メディア・アルジャジーラでも紹介されました。(番組リンクはこちら

 

2025年アップデート:失われつつある伝統文化の継承のための施設もオープン!

2025年9月、ソロモン諸島で伝統知識の継承施設「ファエファエ・カスタムハウス」が完成しました。ファエファエとは、長老が慣習や知識を若者に伝えてきた伝統の学び舎の総称です。

Kastom Keepers はこの再建を担い、コミュニティと連携して文化継承の仕組みづくりを進めています。創業者であるミリセントは、「この場所を通じて年長者と若者がつながりを取り戻し、伝統的な知識や文化遺産を意味のある形で再生していきます」と語りました。

オープニングの様子はこちら

 

6. DV・性被害者の支援拡大(インドネシア)

 

「笑い」の力で女性の虐待トラウマ克服に挑むインドネシア初ムスリム女性コメディアン、サクディア・マルフ

サクディアは、インドネシアで家庭内暴力の被害を受けた女性たちに、笑いを通じたリハビリを提供してきました。

今回の助成金は、活動開始から5年間の成果をまとめるインパクトレポートの作成に活用されます。2つの都市を訪問し、これまでリハビリや研修を受けた約10名の女性たちへ対面インタビューを行い、参加者のその後の変化をモニタリングします。

さらに、インドネシアでムスリム女性として初めてコメディアンとして活躍するサクディアの自叙伝制作費の一部にも充てられ、寄付者の獲得や、同様の課題に直面する海外のムスリム女性への認知拡大を目指します。

活動の詳細は近日中にアップデートいたしますので、楽しみにお待ちください!

 

7. HIV陽性者のコミュニティと生計支援(インドネシア)

 

困難を抱えるHIV陽性者に必要な情報と支援を届けるHIV+インフルエンサー、スコット・アルファズ

インドネシアでは、HIV陽性者への偏見や差別が今なお根強く、仕事が得にくいほか、周囲に打ち明けられず悩みを一人で抱え精神を病むケースが少なくありません。

自身が課題の当事者でもあるスコットは、HIV陽性者を対象に、オンラインで6ヶ月間のコミュニティ形成と起業支援プログラムを実施。合計36人(うち30人がHIV陽性者)が参加し、小規模グループでの悩み相談や、ビジネスの基礎を学ぶウェビナーを実施。その結果、参加者のうち2組が企画から販売まで事業を立ち上げ、自らの収入につなげることに成功しました。

左:オンラインで自身の体験を参加者と共有するスコット
中央:アリさん(仮名)は即席麺の製品を開発し、フードデリバリーアプリで販売チャネルを開拓
右:マヒンドラさん(仮名)は健康飲料として知られるジャムウを製品化し、ポップアップやECサイトを通じて販売

 

【ご報告】IMPACT HERO 2025期生への支援が決定!

 

今年も多くのEarth Loversの皆さまから、温かいご支援をお寄せいただけたことで、新たなヒーローたちへの助成金支給が実現しました!

今回は、IMPACT HERO 2025のフレシュタ・カリムを含む8名のIMPACT HERO 2025期生へ、昨年同様一人3000米ドル、合計24,000米ドルを助成いたします。

助成対象となるプロジェクトの詳細は、近日中に皆さまへご紹介いたします。助成金を活用し、ヒーローたちがどのようなリジェネティブな未来を切り拓いていくのか、どうぞ楽しみにお待ちください!

また、毎月のご寄付でヒーローたちを一緒に応援してくださるEarth Loversの皆さんを募集しております。月1500円〜のご寄付で、アジア太平洋の各地で社会課題や環境問題に取り組む、素晴らしいチェンジメーカーたちの活動を支えていただけませんか?