上記5つの分野のうち、4~5つの分野で取り組んでいる企業、すなわち、金太郎飴のように企業活動のどこを切ってもサステナブルな、究極のサステナビリティ経営に取り組む企業を「サステナ金太郎飴」と名付けました。サステナ金太郎飴企業は全体の9%(n=1000)、一方で9割以上の企業が取り組み分野1つの「駆け出し金太郎」、または2~3つの「もうすぐ金太郎」という結果となりました。
この調査では企業がサステナブルな取り組みを推進するにあたり、その「腹落ち感」や「動機」などの意識(Be)と、「社内で学ぶ機会」や「情報開示」などの行動(Do)において、多くの分野に取り組んでいる「サステナ金太郎飴」企業から、取り組み分野1つの「もうすぐ金太郎」企業の違いを分析しました。その結果、サステナ金太郎飴企業と、取り組みが進んでいない他企業の違いが明らかになりました。
■調査結果サマリー(サステナ金太郎飴企業の特徴)
サステナ金太郎飴企業でアクションに取り組む動機のトップは、「地球環境リスク」への配慮。その他の企業は「ブランドイメージ」を重視。サステナ金太郎飴企業は、下記の回答がすべてのセグメントの中で最も多い結果となりました。
●意識(Be)
・サステナビリティの重要性を理解し、共感している(80%)
・サステナビリティに関する取り組みが自社の中長期的な利益につながる(80%)
・企業の利益とサステナビリティに関する取り組みは両立できる(84%)
●行動(Do)
・社内で学ぶ機会がある(92%)
・取り組みができていないことを開示している(76%)
一方、サステナビリティ推進の課題としては、「社会システムを容易に変えられない」がどのセグメントでも共通1位でした。
3. パネルディスカッション「『サステナ金太郎飴』になるには?」
イベント後半では、B Corp 取得企業の経営者など3名のゲストをお招きし、パネルディスカッションを行いました。モデレーターの濱川やパネリスト同士で、
「日本企業はどのようにしたら自信を高めていけるのか」
「B Corp取得までのジャーニーがどのようなものだったか」
という質問を交えながら、議論を深めました。
注)B Corpとは、米国の非営利団体B Labによる国際認証制度。厳格な評価のもと、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる。