1月 15, 2024

【イベントレポ】どこを切ってもサステナブル!「サステナ金太郎飴」な企業は何が違う?

2023年12月7日、日本企業のサステナビリティ担当者1000人を対象としたアンケート調査結果を元に行われたイベントには、企業のサステナビリティやCSRに関心を寄せる25名の方々にご参加いただきました!このブログでは、調査結果の概要とイベント当日の様子をお伝えいたします。

イベント概要

 

日時:2023年12月7日(木)19:00-20:30

会場:Atlya(アトリア)参宮橋(東京都渋谷区代々木4-50-13-1F)

 登壇者:

  • ハーチ株式会社(B Corp取得) 代表取締役 加藤佑氏
  • 株式会社日本総合研究所 サステナビリティ&ソーシャルインパクトスペシャリスト 水野ウィザースプーン 希氏
  • imageMILL 創設者・クリエイティブディレクター(B Corp取得) リチャード・グレハン氏
  • 一般社団法人Earth Company 最高探究責任者 濱川知宏

 

 

イベント内容

  1. アイスブレイク、Earth Company 団体紹介(濱川知宏)
  2. 日本企業のサステナビリティ担当者1000人へのアンケート調査結果(濱川知宏)
  3. パネルディスカッション「『サステナ金太郎飴』になるには?」(加藤佑氏、水野ウィザースプーン 希氏、リチャード・グレハン氏、濱川知宏)
  4. 質疑応答
  5. 交流セッション

 

1. アイスブレイク、Earth Company団体紹介

 

イベントは5分間の瞑想からスタート。その後アイスブレイクとして、皆さんに「SDGsとは何か」考えて頂き、周りの方とシェアしていただきました。

2. 日本企業のサステナビリティ担当者1000人へのアンケート調査結果

 

■調査概要

  •  調査手法:対象者
  • サンプル数:1,000
  • 実施目的:サステナビリティの取り組みに関して先進的な企業と、取り組みが進んでいない企業の意識・行動・課題を調査し、両者の違いを明らかにする
  • 調査手法:(株)クロス・マーケティング社によるインターネットでの匿名アンケート
  • 対象者:日本企業のサステナビリティにかかわる人* 20~69歳男女
  • 実施期間:2023年8月29日~9月1日
  • 実施団体:一般社団法人Earth Company
  • 企画協力:一般社団法人 国際エデュテイメント協会
  • データ分析:Lively 合同会社

 

Earth Companyでは、「サステナビリティ経営」を考察するフレームワークとして、下記の5分野を「リジェネラティブ・ビジネス・キャンバス」として考案。

 

 

 

上記5つの分野のうち、4~5つの分野で取り組んでいる企業、すなわち、金太郎飴のように企業活動のどこを切ってもサステナブルな、究極のサステナビリティ経営に取り組む企業を「サステナ金太郎飴」と名付けました。サステナ金太郎飴企業は全体の9%(n=1000)、一方で9割以上の企業が取り組み分野1つの「駆け出し金太郎」、または2~3つの「もうすぐ金太郎」という結果となりました。

この調査では企業がサステナブルな取り組みを推進するにあたり、その「腹落ち感」や「動機」などの意識(Be)と、「社内で学ぶ機会」や「情報開示」などの行動(Do)において、多くの分野に取り組んでいる「サステナ金太郎飴」企業から、取り組み分野1つの「もうすぐ金太郎」企業の違いを分析しました。その結果、サステナ金太郎飴企業と、取り組みが進んでいない他企業の違いが明らかになりました。

 

■調査結果サマリー(サステナ金太郎飴企業の特徴)

サステナ金太郎飴企業でアクションに取り組む動機のトップは、「地球環境リスク」への配慮。その他の企業は「ブランドイメージ」を重視。サステナ金太郎飴企業は、下記の回答がすべてのセグメントの中で最も多い結果となりました。

 

●意識(Be)
・サステナビリティの重要性を理解し、共感している(80%)
・サステナビリティに関する取り組みが自社の中長期的な利益につながる(80%)
・企業の利益とサステナビリティに関する取り組みは両立できる(84%)

 

●行動(Do)
・社内で学ぶ機会がある(92%)
・取り組みができていないことを開示している(76%)

 

一方、サステナビリティ推進の課題としては、「社会システムを容易に変えられない」がどのセグメントでも共通1位でした。
 
 

3. パネルディスカッション「『サステナ金太郎飴』になるには?」

 

イベント後半では、B Corp 取得企業の経営者など3名のゲストをお招きし、パネルディスカッションを行いました。モデレーターの濱川やパネリスト同士で、

「日本企業はどのようにしたら自信を高めていけるのか」
「B Corp取得までのジャーニーがどのようなものだったか」

という質問を交えながら、議論を深めました。

 

注)B Corpとは、米国の非営利団体B Labによる国際認証制度。厳格な評価のもと、環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる。

「できていないことを開示することはとても大事だと思います。できていることよりできていないことを伝えた方が、社内外から喜ばれ、褒められ、信頼されます。それが分かっているからこそ情報開示ができるのだと思います。

B Corpという第三者からの認証取得は、日ごろの取り組みが認められた証のようで従業員が喜んでくれました。外から見えるものには限界があるため、中の自分たちが認証にふさわしい素晴らしいことをやっていると自覚できることが大事だと思っています。本当のジャーニーはこれからです」

 

―ハーチ株式会社 代表取締役 加藤佑氏

「経営者を対象とした2022年の調査では、約半数が自社の商品やサービスを『グリーンウォッシュ』と感じているという結果は、不都合な真実と言えるのではないかと思います。実際にサステナに関わっている担当者を調査対象とした今年の結果で、課題と感じている部分が予算や人の問題ではなく、『社会システムを変えられない』が共通一位という点は意外でした。

日系企業には日系企業の良さがあると思います。リスクをとる欧米的なやり方とは違い、勤勉にまじめにゴールに向かっていく日本ならではのサステナビリティの進め方があると感じています」

 

―株式会社日本総合研究所 サステナビリティ&ソーシャルインパクトスペシャリスト
水野ウィザースプーン 希氏

「日本企業とは長い間サステナビリティ関連で関わってきていますが、リスクに対する考え方が保守的で物事の進展が遅いと感じています。ミスや失敗への恐怖心を克服し自信を持つことで、さらなる透明性のある企業活動に繋がると思います。アイルランドでは二歩進んで一歩後退であれば、ミスも許され前進ができるのです。

サステナビリティは新しい考え方ではありません。エシカルでサステイナブルな暮らしをしたいのであれば、日本の古き良き伝統的なバリューに立ち返ればよいということをよく話しています」

 

―imageMILL 創設者・クリエイティブディレクター
リチャード・グレハン氏

最後に、Earth Company最高探求責任者 濱川知宏からは、

「SDGsが過熱しすぎて変な普及の仕方をしてしまったがゆえに、『やらされサステナ』となってしまっている。世界で何が起こっているのか、まず共感することが大事。そのためには心を開きましょう。問題とつながりましょう。次世代に向け良い世の中を残したいと思っている人はたくさんいるはずなので、変われるきっかけはあるはずです」

と熱い思いを語りました。

 

パネルディスカッション後も、たくさんの方々が会場に残り、パネリストの方々・参加者の方々みなさんで交流を深め、熱い意見交換の時間となりました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

 

 

調査結果のご案内

今回の調査結果をご覧になりたい方は、下記バナーよりPDF資料をご確認いただけます。ぜひご覧ください!