なかには、貧困などに起因する家庭崩壊、親の虐待やネグレクトによる育児放棄、親が海外へ出稼ぎに出て不在などの理由で、帰る家がない子どももいます。毎日食べるものと寝る場所に困り、生き抜くために何でもしなければならず、空腹を満たすために盗みや児童売春を行い、生きるために麻薬密売など犯罪組織と関わり、犯罪に手を染めてしまいます。
そして家族の愛を知らず、社会から閉め出され、教育機会も得られず、孤独感、挫折感、トラウマに苦しみ育った子どもたちは、成人しても真っ当な職につけず、犯罪者や薬物常習者、HIV感染者になってしまう可能性が高いのが現状です。
家庭に居場所をなくし、路上に出て児童売春や麻薬組織に関わるしか生きる手段がなく、あらゆるトラウマを抱えつつも更生し、光の方だけをみて邁進してきたジョンには、彼らの痛みや苦しみ、そしてどんな支援を必要としているかがわかります。だからこそ、彼らの心に寄り添った更生支援、犯罪被害者やHIV感染者にならないための予防・啓蒙活動に人生をかけているのです。