とますか日記 vol.6:僕たちが子連れミーティングをする理由

 

3ヶ月の赤ちゃんと一緒に、20以上のミーティング!

経団連のオフィスで

 

今月上旬、仕事で1週間半帰国していました。

夫婦で団体を経営しているので、子供達をおいてくるわけにもいかず、毎回家族全員での帰国です。特に今回は、先月産まれた第3子・弥(あま)にとって初めての日本訪問。
子どもの数と共に、飛行機の座席も増え、荷物の量も嵩み、長距離移動が徐々に「民族の大移動」のような大変さになってきています。

僕たちは年に3〜4回帰国していますが、毎回、アース・カンパニーの支援者の方々、お世話になっているパートナー団体のみなさまとの数々のミーティングで予定が埋まります。今回はミーティングを設けられる6営業日のなかで、僕は30、明日香は20を超える打ち合わせやイベントに参加し、実は、明日香が参加した全ての会議に、生後3ヶ月の娘も同行させて頂きました!

世界で一番忙しい3ヶ月児だったかもしれません。苦笑

子供達は全員完全母乳。終日ベビーシッターさんに同行してもらうほどの経済的余裕はないし、生後3ヶ月から保育園に預け親と離れて育てることを避けたいなどの事情もあります。しかしそれに加えて、働くお母さんたちがもっと働きやすい社会を目指すため、言葉だけでなくアクションをもって、僕たちが自らミーティングに子連れでいくことで、ほんの少しでも、社会の意識改革に寄与できればいいなという思いも強くありました。

 

そんな状況や考えのもと過ごした1週間半の一時帰国ですが、実際どうだったのか。今回のとますか日記は、20以上の子連れミーティングを体験して感じたことを共有させて頂きます。

 

 

子連れミーティングを快諾して下さった方々にとにかく感謝

 

ETICのイベントも3人で登壇させていただきました!

 

まず、「子連れミーティング」と一言で言っても、相手に受け入れてもらって初めて成立するものなので、このような「(今はまだ)非常識的なこと」を許して頂いた方々に、ただただ感謝です。

娘の預け先がないからとはいえ、ベビーカーに入った赤ちゃんと一緒に会議に参加させて頂くのは、現代社会の常識からは外れていることを僕でも認識しています。

「未来の社会はこうあるべきだ!」と信じつつも、やはり申し訳ない心境も否めませんでしたが、今回お会いした方々、見事に全員に、快諾・歓迎して頂き、心から嬉しかったです。

今回の打ち合わせのお相手は、長年のお付き合いの方、毎回帰国時にご挨拶に伺う方、初対面の方、と様々でした。
しかし関係性の深さに関わらず、皆さん、「赤ちゃんがオフィスに来た!」と記念撮影を撮って喜んで頂いたり、自然体で心温まる対応を取って頂き、我々は本当に恵まれているなぁ、とつくづく思いました。

例えば、株式会社Plan・Do・See(プラン ドゥ シー)さんのオフィスにお邪魔させて頂きましたが、「(堅苦しい)事務所」というイメージを覆す、社風を具現化したようなオシャレな空間で、子どもがいても全く違和感がありませんでした。お会いしたスタッフの方々には、代わる代わる娘を抱っこして頂きながら、今後の協働の可能性についてお話させて頂きました。

Plan・Do・Seeでのミーティング。みなさん、弥を抱っこしてくれました!

 

また、笹川平和財団さんでの会議では、「慣れたスタッフが抱っこしていましょうか」「オムツ替えの時は場所を作りますので」とまで親切にご配慮頂きました。

更に、日本の経済界の中枢である経団連にもベビーカーを押して伺いました。
ロビーではおじさま方が驚いた表情で見られていましたが、中には満面の笑みでベビーカーの中を覗き込む方も!ミーティングでは、初対面にも関わらず歓迎して下さった総務本部の素敵なスタッフもいらっしゃいました!

 

 

パートナーシップ構築の分かりやすい「リトマス試験紙」

笑顔で迎えてくださった経団連の方と

 

今回子連れミーティングにお付き合い頂き、しかもそれを楽しんで頂いた方々とは、「これは長期的なパートナーシップになるな」と直感的に確信しました。そのプロセスとスピードは、非常に分かりやすいリトマス試験紙のようでした。

何故ならまず第一に、子どもを大切にする未来志向な組織かどうかが分かるからです。

「次世代」という美しい言葉をビジョンに掲げるだけではなく、それを実践している組織は次世代を積極的に受け入れる体制を取り入れています。それは産休・育休といった組織の人事制度を超えて、経営者や従業員のあり方、雰囲気にまで顕れていました。そういう方々とは、価値観を深いレベルで共有出来ることが分かりました。

もう一つ、子連れ議員が市議会への出席を認められないなど、日本ではまだまだ働くお母さんたちへの理解が乏しいですが、子連れミーティングに対して、親切に、柔軟に、快く対応して下さったみなさんには、「個々が能力をフルに発揮し、より輝ける社会」を実現するために、共に壁を乗り越え、挑戦していけるパートナーである、という仲間意識と信頼感を覚えました。

今回お会いした方々は全員、本質的に「未来志向」であり、ビジョンを共有できていることに「子連れミーティング」という体験を通して再度気づかせて頂きました。

このような会社や団体が一つでも多く増えていきますように。
(最近ご紹介頂く方やお会いする方は、理念や価値観を共有する方ばかりで、繋がるスピードに驚く一方、必然性を感じています。)

 

育児に対する意識は変わっているが、インフラがまだまだ

 

意識というソフト面では「日本も確実に変わってきたなぁ」と思う傍ら、インフラというハード面ではかなり高い壁に打ちのめされました。

とにかく駅にエレベーター・エスカレーターが少なすぎる!

特に霞ヶ関や永田町や丸の内界隈の駅たち!

まさに日本を動かす中枢部でこのインフラは、悲しいものがありました。

駅の階段。筋トレにはいいかもしれませんが…

 

ベビーカーで移動するお母さんたちはどうすればいいのでしょうか。

今回は多くのミーティングに僕も参加していたので、娘を乗せたままベビーカーを持ち上げ、階段を担いで登り降りすることが出来たけれど、女性一人ではかなり厳しい。このインフラ設備では、ベビーカーで来るなと言っているようなものです。そんな世界トップレベルの都市が他にあるのでしょうか。

百歩譲ってベビーカーの問題は置いといたとして、障害者はどうするべきなのでしょうか。

車椅子の方が、電車という公共の交通手段を使えないのは本当に不条理なことです。東京オリンピック・パラリンピックに向けて2年を切りました。子連れのお母さんや障害者に対して最低限の敬意を払える都市になれるのか?!

今回の滞在体験上、決して楽観的にはなれないです。。。

 

男として実行する「子連れミーティング」の意義

イベントの参加者の方々も弥を温かく受け入れてくれました!

 

帰国中の20回以上の子連れミーティングを通して、それを受け入れて下さった方々の素晴らしさ、東京のインフラの限界など、多くの発見がありました。もちろん体力的にも普段以上に疲れました。腕は帰国した時より太くなった気がします。笑

しかし「次世代に残せる未来」を作っていくべき団体の共同創設者として、日本での育児の難しさに対して真正面から挑んでいきたいと、改めて思いました。また、このような問題提起や体験談は、女性だけではなく、男性も発信していかないと、大きなうねりにはならないと感じ始めました。

次回帰国は9月上旬ですが、出来れば再度、「子連れミーティング」にお付き合い頂けると幸いです!

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