【ミャンマー支援レポート #7】世界中に拡散!ASEANに対するウェイウェイの訴え

4月24日、インドネシア・ジャカルタに4400人の警備部隊が配置され、厳戒体制で開催されたASEAN緊急首脳会議。報道通りミャンマー国軍トップのミン・アウン・フライン軍総司令官が出席し、ミャンマー情勢への対応が注目された会議でしたが、その成果については関係者間でも意見が分かれるものとなりました。

ウェイウェイは、会議に先立ちASEANに強い対応を求めるオピニオン記事をワシントンポストに投稿、世界中に拡散されました。それでは、今週のアップデートをご覧ください。

 

今までのレポートはこちら↓↓↓
【ミャンマー支援レポート#1】ウェイウェイが現地159団体と連携し国連に提出
【ミャンマー支援レポート#2】犠牲となった33歳女性、残された3人の子どもたち
【ミャンマー支援レポート#3】国連・政府関係者も参加!ウェイウェイ主催のウェビナーの実施
【ミャンマー支援レポート #4】広がる支援の輪!平和を祈る210人から応援が!!
【ミャンマー支援レポート #5】国連は動かない。それでも命懸けで声を上げる続ける若者たち
【ミャンマー支援レポート #6】ASEAN首脳サミットへ公開書簡で対応を求める

1.  ASEANに対するウェイウェイの訴えが、ワシントンポストに掲載

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4月24日開催のASEAN緊急サミットに先立ち、ウェイウェイのASEANに対する訴えがワシントンポスト紙に掲載されました。この記事は、世界最大の国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチをはじめ多くの関係者によって、SNS上で5,000以上もリツイートされ、世界中に拡散されています。

ウェイウェイは記事のなかで、ミャンマー情勢に対するASEANの強い対応を求めました。

  • ASEAN緊急サミットに招待されたミャンマー国軍のミン・アウン・フライン軍総司令官は、2月1日の軍事クーデター及びそれ以降の700人以上の殺害に直接的責任を持つだけでなく、ロヒンギャ大虐殺や、他の少数民族への弾圧により、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪の加害者として調査・起訴されるべき人物である。
  • ASEANが総司令官のサミットへの出席を認めることは、残忍な軍政権を正当化するリスクがある。それだけでなく、ミャンマーの民主的な未来のために命をかけている何百万人もの抗議者たちを見捨て、軍を野放しにすることになる。
  • ASEANは、2018年のロヒンギャ危機を単なる人道的な「懸念事項」と位置づけ、ロヒンギャに対する軍の残虐行為を見過ごした。2019年ASEANが行った調査では、100万人近いロヒンギャ難民を生み出した軍による殺人、拷問、強姦行為を非難するどころか、認めることすらできていない。「内政不干渉の原則」は、ミン・アウン・フラインと国軍の力を強めることになった。
  • 市民による抗議活動は徹底して非暴力の原則に忠実に行われており、死亡者数の増加の責任は軍にあるにも関わらず、ASEANは”すべての関係者”に暴力を止めるように呼びかけている。殺人者と犠牲者との「建設的な対話」ではなく、殺害を止めることに注力すべきではなないか
  • ASEANが掲げている「人々を中心とした、人権と基本的自由を享受できる共同体」は、まさにいまミャンマーの人々が命懸けで求めているものである。私たちは、ASEAN加盟国に、ミャンマー軍に対して優柔不断な態度をやめ、代わりに私たち(市民側)と連帯することを求める。

 

▼ウェイウェイがワシントンポストに寄稿した記事が拡散されたTwitter投稿の一部

 

国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ (フォロワー数469万人)

「”ASEAN加盟国に、地域全体の安全を脅かす優柔不断な態度をやめ、代わりに私たちと連帯することを求めている”とウェイウェイ氏は語っている」

ヒューマン・ライツ・ウォッチ代表 ケネス・ロス氏(フォロワー数 48万人)

「ASEANは以下の点からミャンマーの政権を強化している。1)軍政権残の残虐行為にも関わらず「不干渉」、 2)『すべての当事者』に暴力行為を控えるよう求めている、3) 殺戮を止めるために圧力をかけるのではなく『建設的な対話』を迫る」

バラク・オバマ元米大統領副補佐官 ベン・ローズ氏(フォロワー数 55万人)

「ASEANは、平和、安定、繁栄へのコミットメントをアピールしたがっている。ミャンマーでは、この3つがすべて破壊されている。今こそ、この組織の存在意義を示すべきではないだろうか」

ASEANは会議後、ミャンマーへの対応として以下5つの点で合意に至ったという声明を発表しました。

1)暴力を停止すること
2)すべての当事者が建設的な対話をすること
3)対話を促すためにASEANの特使を派遣すること
4)援助を受け入れること
5)特使を受け入れること

会議後シンガポールの首相は、「ミン・アウン・フライン氏はASEAN代表団のミャンマー訪問や人道支援に反対しなかった」と発言。一方、ミャンマー国内をはじめ世界中からは、ウェイウェイの指摘通り、「対応に曖昧さが残る」と多くの批判の声が上がっています。

 

参考

・Opinion: Southeast Asian countries should recognize the slaughter in Myanmar for what it is
・「
ASEAN、ミャンマー軍に暴力の停止求める 対話仲介の特使派遣など合意」(BBC NEWS JAPAN)
Myanmar Activists, Observers Slam ASEAN for Failing to Hold Junta to Account

2. デモ参加者の6割は女性!軍による性的暴力も明るみに

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ミャンマーで女性の社会参画の促進活動を行う「Women’s League of Burma(ビルマ女性連盟)」は、抗議活動に参加している人の60%が女性であると推定を発表しました。ミャンマーでは、ロンジー(ミャンマーの女性の伝統衣装)の下を通ると不吉なことが起こると信じられており、女性たちは電柱ににロンジーをかけるなど、独自の方法で軍の足止めを行っていました。

一方、現地最大の人権団体AAPPによると、逮捕された人の40%近くが女性で、抗議活動の女性参加者への軍による性的暴力も横行しています。軍による性的暴力はこれまでも起きていて、2017年以降、ロヒンギャのイスラム教徒は、取り締まりと称して性的暴力の被害にあっており、国連の調査によると、兵士による集団レイプ、強制的な公開ヌード、捕虜の性的奴隷行為などの事例が報告されています。

抗議者に対する暴力がエスカレートし、軍による暴力が止まる気配がないことから、抗議活動に参加している女性からは、軍が今にも「最後の手段として」集団レイプ戦術を用いるのではないかと危惧している声が上がっています。

 

参考
The women of Myanmar: ‘Our place is in the revolution’ (ALJAZEERA)
‘She Is a Hero’: In Myanmar’s Protests, Women Are on the Front Lines(The New York Times)

3. Twitterでも話題。Z世代による『ミルクティーアライアンス』

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先週、ウェイウェイは滞在先のアメリカでミャンマー軍政に反対するデモに参加したそうです。その主催者は「ミルクティーアライアンス」。ミルクティーアライアンスとは、香港・台湾で中国政府に、タイ・ミャンマーで軍事政権にそれぞれ反対し、民主化運動に参加する人々が使用しているハッシュタグです。各国に甘いお茶を飲む文化が根付いていることに由来します。

2月以降、ミャンマーでもクーデターに反対した大規模な抗議活動が行われたため、このハッシュタグの使用が急増。Twitter社は、「過去1年間に#MilkTeaAllianceのハッシュタグが付いたツイートは1,100万件を超えた」と発表しました。

活動の広がりをうけ、Twitterは、ミルクティーアライアンスの活動を応援するために、オリジナル絵文字を作成。SNS上でのZ世代の活動が、ソーシャルメディアの運営会社からも後押しを受けています。

 

参考
Milk Tea Alliance: Twitter creates emoji for pro-democracy activists (BBC NEWS)

編集後記(あとがき)

 

2019年のゴールデンウィーク、私はミャンマーで国際協力NGOが主催する人材育成プログラムに参加していました。ミャンマー・バングラデシュ・日本の同世代15人が各国の社会課題を学び、解決策を考えるという内容でした。同じプログラムに参加していたミャンマーの友人たちとは、クーデター直後からも連絡を取り続けており、現地の様子を直接聞いています。彼らは、クーデター当初から命懸けでデモに参加しています。報道される増えていく犠牲者数、そのなかに自分の友人が入っていたらと考えると、ミャンマー問題をとても他人事としては考えられません。

クラウドファンディングは金曜日で終了です。最後までどうぞ応援よろしくお願いいたします!

IMPACT HERO支援担当・島田 颯