【発表】IMPACT HERO 2021 ファイナリスト!

2020年7月~9月の期間に公募したIMPACT HERO 2021には、アジア太平洋地域から65名のチェンジメーカーから応募がありました。今年の応募者は本当にレベルが高く、素晴らしいチェンジメーカーばかりでした。

その中から書類選考、オンライン面談、そしてマンスリーサポーターのみなさまからの意見もお伺いし、10名のファイナリストを選出しました!

人生をかけて地域の社会課題に取り組み、アジア太平洋地域の未来を変える可能性を持つ10名の素晴らしい活動をぜひ知ってください。(※掲載は姓アルファベット順です)

このなかから選出されるIMPACT HERO 2021は、2020年12月15日に発表予定です。どうぞ、お楽しみに!!!

1. Somsak  “Pai” Boonkam

活動国: タイ

運営団体: Local Alike

取り組む課題:タイの農村コミュニティが経済的に自立し、人びとの生活環境が改善することを目指して、サステイナブルな観光ビジネスモデルを推進する。

パイのストーリー:

タイの農村で生まれ育ったパイは、地域文化の独自性を活かし、持続可能な開発を行うことに強い関心がありました。

そこで、持続可能な開発を学ぶために、米国サンフランシスコのPresidio大学院でサステイナビリティ・マネジメントのMBAを取得。その後、タイ王室後援のMae Fah Luang財団のDoi Tung開発プロジェクトでタイ北部の事業開発に携わるなど、多様な異文化環境で様々なキャリアを重ね、かねてからの思いを実現するため、故郷の地元の人びとが持つ知恵を活かし、社会全体にポジティブな影響を与えるサステイナブルな商品を開発することを目指して地元に戻り、Local Alikeを設立しました。

パイがCEOを務めるLocal Alikeは、旅行者と地元の人々をつなぐ、地域密着の様々な経験を紹介するオンライン・プラットフォームを運営し、観光業を通して、地域の伝統文化の保護、そして地域の人々の収入創出の機会をつくりだし、社会課題の解決に尽力しています。

現在は、世界93カ国3700名以上を支援する社会起業家支援の非営利組織「アショカ財団」のフェローです。

2. Sagufta Salma Janif

活動国: フィジー

運営団体: The Fusion Hub

取り組む課題:ゴミ処理施設のない太平洋の島国フィジーにおいて、廃棄物をアップサイクルした家具の制作・販売を通して、「ゼロウエイスト・ライフスタイル」の普及を行う。同時に女性の雇用促進と所得向上にも貢献するビジネスを実践する。

サグフタのストーリー:

社会的インパクトを創出する起業家として数々の受賞歴を持つサグフタは、グローバルな廃棄物問題の解決と、経済的に不利益な状況にある女性や若者のエンパワメントに取り組んでいます。また、ゼロ・ウェイスト・ライフスタイルの熱心な実践者かつ提唱者でもあり、2020年英国連邦ユース・アワード、2019年 Women in BusinessアワードでAspiring Entrepreneurを受賞し、「フィジーの未来である30人」の一人に選出されています。

サグフタは若手起業家評議会の副会長も務めており、フィジー及び太平洋地域の若者が課題解決の担い手となり、単に就職先を探すのではなく、自ら仕事を創出できるよう支援しています。

また、社会起業家だけでなく、SDGsの達成に取り組む若者たちにも幅広くモチベーションを与えています。特に女性に対しては、典型的な職業の枠を越えて、彼女たちが本来持っている様々な可能性を活かせるよう、能力開発に力をいれています。

サグフタは、社会起業家としてまた先駆的なチェンジメーカーとして、フィジーの若者たちのロールモデルとなっています。

3. Kristin Kagetsu

活動国: インド

運営団体: Saathi Eco Innovations India Pvt Ltd

取り組む課題:女性の健康と環境に優しい生理用品の開発と販売。バナナの葉から生分解性100%のナチュラルな生理用ナプキンを開発し、インドで生理用品へのアクセスが限られている女性たちへの普及を行っている。

クリスティンのストーリー:

マサチューセッツ工科大学の機械工学部を卒業したクリスティンは、大学時代にブラジル、ニカラグア、インドにおいて大学のデザインラボによる複数のプロジェクトに携わっていました。

サスティナブルな製品開発に取り組む彼女が最初に開発に関わった製品は、インド・ウッタラカンド州のNGOのプロジェクトで、地元で調達された原料から造った自然染料のクレヨンでした。

インドに移り住む以前から、Asian Scientists and Engineers協会にボランティアとして関わり、全国大学チームの体制構築と拡大、及び北西部における協会の活動発展に寄与していましたが、このクレヨンの開発経験から、インドで社会課題を解決するための活動を続けたいと思うようになりました。

その後、ハーバード・ビジネススクールの新興企業コンペで入賞した後、インドに移り、共同設立者であるタルンと共に立ち上げたのが、現在クリスティンがCEOを務めるSaathiです。

Saathiは、生理用品の普及にむけて持続的な解決策を提供する社会的企業で、事業の社会的インパクト、革新性、持続性において、TIME誌、Fast Company、国連環境計画など国際的に評価され、インド国内でも、政府の零細・中小企業省から表彰されています。

クリスティンはCEOとして、企業が社会的責任を果たす循環型の未来を目指し、持続的な製造、代替材料、STEM教育(科学・技術・工学・数学の教育分野の総称)における女性の役割に熱心に取り組んでいます。

こうした活動が評価され、クリスティンはMITデザインラボの ScaleUpsフェロー、アジアソサエティ・ヤングリーダー、カルティエ女性イニシアティブのファイナリストに選出されています。

4. Randi Julian Miranda

活動国: インドネシア

運営団体: Handep

取り組む課題:大企業による土地開発で荒廃するカリマンタン島の村々が、持続可能な経済活動により発展できるよう、住民へのスキル研修とファッション雑貨や農産物などの商品開発・販売によるサステイナブル・ビジネスを展開。また森林保全・再生活動にも取り組む。

ランディのストーリー:

ランディは、サステイナビリティ、社会起業、先住民族の権利保障の分野を専門とするダヤック族(ボルネオ島の先住民族)の若手リーダーです。

2018年にオーストラリアのメルボルン大学で環境・開発学の修士号を取得後、数年にわたり様々な分野でキャリアを積んだ後、故郷のボルネオ島で生活が脅かされている人びとの支援に自分の生涯をかけることを決意。持続的に生計を得ながら、採掘産業の過剰な開発により失いつつある森林への権利の獲得を通して、ダヤック族の女性及び小規模農民をエンパワメントすることを目指す社会的企業Handepを設立しました。

Handepは地域の資源を活かして生計を得られる、持続可能な手段による地元経済の活性化に取り組み、特に森林に依拠しているコミュニティと、生物多様性の観点のみならず人類の未来のために熱帯雨林の保護を推進しています。

また、HandepのCEOとして活躍する傍ら、熱心な環境活動家かつコミュニティ開発の実践者として、プロジェクト・マネジメント、環境保全、サステイナブル・ビジネス、調査・コミュニケーションの分野で活躍しています。

5. Muhammad Noor

運営団体: Rohingya Project

取り組む課題:公的な身分保証がなく、教育や医療など基本的な社会サービスへのアクセスが制限されている難民や無国籍の人びとに対して、デジタルプラットフォームを通して、スマートフォンで可能なIDの取得や教育プログラムの提供を行う。

ヌールのストーリー:

ロヒンギャ出身のヌールは、イギリスのグリニッジ大学でコンピューティングを専攻し、優等学位で卒業。ビジネスオーナー、ジャーナリスト、TVキャスター、プロジェクトマネジャーとして15年以上のキャリアを積み、ソフトウェア開発、暗号化、データセキュリティ・プライバシーの分野にもた長けています。

これらのキャリアと、多様なバックグラウンドを持つ人びとを対象に、自己開発・マネジメント、情報テクノロジー等に関する研修を提供してきた経験を活かし、テクノロジーを活用して人びとに奉仕することを目指してRohingya Projectを設立。

ブロックチェーンを活用して、ロヒンギャの人々が直面する課題に具体的に解決していくために、無国籍の人たちに対し、財政的・社会的な支援を包括的に提供しています。

また世界各地に数百万人の視聴者を持つ、Rohingya Watchという世界初のロヒンギャ向けTV放送局やCONIFA(独立サッカー連盟)ワールドカップに出場するロヒンギャ・フットボール・クラブも設立し、代表を務めています。

多才なヌールはロヒンギャ文字のデジタル化を行い、ロヒンギャ文字フォントを初めて開発し、2018年にはユニコードとして承認され公開されました。2019年3月には、自身の人生経験を綴った書籍“Born to Struggle: The Child of Rohingya Refugees and His Inspiring Journey” も出版しています。

6. Aravinth Panch

活動国: スリランカ

運営団体: Dream Space Academy

取り組む課題:内戦で荒廃したスリランカにおいて、多くの社会経済・環境課題を抱えるコミュニティの若者を対象に、持続可能な社会づくりに貢献する社会起業家育成のために「イノベーション教育」プログラムを提供する。

アラのストーリー:

内戦の最中、バッティカロアと呼ばれる美しい海岸沿いの町に生まれたアラ。長年、内戦が続いたスリランカでは、内戦で多くの人が命を失い、アラの親族も内戦に巻き込まれて命を落としていました。

14歳になったアラは、子ども兵になることを怖れて国を脱出。その後、10年間難民として生活した後、30年近くにわたる内戦がようやく終わった母国に戻ってきました。その間アラは、複雑な社会課題に取り組みながら、科学、エンジニアリング、サステイナビリティやアート等多分野においての経験を積み、アジアとヨーロッパで複数の団体の設立に関わり、実績をあげてきました。

長年にわたる内戦の影響を受け、多くの社会・経済課題や環境課題を抱えるスリランカの脆弱なコミュニティをエンパワメントするため、自分と同じような人生経験を持つ人たちの状況を良くしたいという強い想いから、アラはDream Space Academyを設立。

脆弱な立場にある若者のエンパワメントのために、チャレンジ設定型学習(challenge-based learning)プログラムを提供しています。このプログラムでは、アラが共同開発した18か月間の個別エンパワメント・モデルを適用。やる気のある若者を選出し、ストーリーテリングからバイオテクノロジーまで多岐にわたる分野を学ぶ研修プログラムの提供をし、最終的には若者たちが地元の課題解決に取り組む社会起業家となることを支援しています。

7. Arief Rabik

活動国: インドネシア

運営団体: Environmental Bamboo Foundation

取り組む課題:成長が早く温室効果ガスの吸収にも効果がある竹の可能性に着目し、植林と竹産業の振興により、インドネシア全土で年々荒廃が進む自然環境のと回復と、村コミュニティの持続的な経済的自立を支援する。

アリーフのストーリー:

アリーフは竹栽培、高付加価値加工、パブリックとプライベート・セクターからの支援仲介、村単位での竹生産等を専門とし、現在、取締役社長としてIndonesia Environmental Bamboo Foundation(IEBF)を経営。

さらに、バンブー・アグロフォレストリー(樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業)で経済の活性化をしつつ、CO2を隔離し既に数多くの国で荒廃している熱帯森林を回復することを目指した1000 Bamboo Projectの設立者でもあります。

アリーフの戦略の特異性は、バンブー・アグロフォレストリーによって、建設資材(CO2排出量が多いコンクリートの代替品にもなる)や、衣類、家具などに竹を活用する大きな市場をつくりつつ、荒廃した土地の回復を行うことにあります。

アリーフが着目する「竹」は、環境に与える利点が非常に大きく、インドネシア全土にアリーフが手掛ける「バンブー・ビレッジ」を創ることで、年間1億トン以上のCO2排出量の削減が期待されています。現在パイロット事業を行っている村々では、既にグロ―バル市場との購買契約を交わし、竹の生産を開始しています。

このモデルは、パリ協定で世界各国がそれぞれ設定したCO2削減目標をどう達成するか模索している政府にとっても、地域経済の発展や土壌・森林の改善を同時に実現できる効率的かつ効果的なモデルとして、注目されています。

また、アリーフは同じく竹の専門家であった母親の遺志を継ぎ、地元の生産者と共に汗をかきながら作業を楽しむ一方で、彼のビジョンの実現のために、首都のビジネスリーダーや政治家たちから支援を取り付け、政策に働きかけるための交渉も行うなど、トップアプローチもボトムアップのアプローチもできる人材です。

8. Rhea Mazumdar Singhal

活動国: インド、他

運営団体: ECOWARE

取り組む課題:道端にゴミが溢れるインドの状況に課題を感じ、使い捨てプラスチックの代替品として、生分解性に優れた食品包装や食器類を農業廃棄物を使って開発・商品化。インドで初の、また最大のサステイナブルな包装会社として事業を展開している。

レアのストーリー:

ブリストル大学、オックスフォード大学、ハーバード大学を卒業したレアは、サステイナビリティと気候変動について、企業が果たすべき責任を自ら実践するため、インドにおけるプラスチック問題の解決のために、インド初、かつ最大のサステイナブル包装会社Ecowareを設立。CEOとして会社を経営し、プラスチックの代わりに完全に堆肥化が可能な製品を導入することで、既存の食品包装業界に一石を投じています。

Ecowareの製品は、焼却処理される農作物の廃棄物を原料としているため、大気汚染の軽減にも貢献しており、レア自身の取組とEcowareのビジネスモデルは、使い捨てプラスチックへの規制やより望ましい消費者行動を求めるグローバルなムーブメントからも、その有効性が認められています。

このような活動が評価され、インド大統領から民間の女性に対して贈られる最高の賞であるNari Shakti Puraskarを受賞。世界経済フォーラムのYoung Global Leader (2018)や、Asia 21 Young Leader (2019)にも選出されています。

また、インド工業連盟の女性エンパワメント全国委員会及び大気汚染に関するCEOフォーラムのメンバーでもあり、北インド女性ネットワークの委員長でもあります。

そしてその活動は、インド国内および国際的に著名な出版物にも取り上げられており、Dreamforce (Salesforceの毎年恒例のイベント)、Ellen MacArthur財団、The Good Day、起業を通した女性のエンパワメントなどのイベントにも登壇しています。

9. Patima Tungpuchayakul

活動国: タイ、他近隣国

運営団体: Labour Protection Network (LPN)

取り組む課題:東南アジアにおいて労働搾取や人身売買の被害にあっている、主に漁業と水産業に従事する移住労働者とその家族の保護及び支援を行う。

パティマのストーリー:

1996年にタイのマハサラカーム大学を卒業したパティマは、地元の工場経営者たちが、移住労働者、特に女性や子どもたちに対して虐待を行っている現状に気づいたことをきっかけに、人権活動を始めました。

児童労働、人身売買及び全ての搾取との闘いを続けるパティマは、2004年に夫のソンポン・スラケウ氏と共に、労働者の人権保護と生活の質の向上のために、2004年にLabour Protection Network (LPN)を設立。

その10数年にわたる活動の中で、慢性的に起こっている人権侵害に対する普及啓発、移住労働者の生活改善と雇用に関する法整備を進め、現在までに支援したタイ及び他国の移住労働者の数は5,000人を超えています。

特に2014年には、勇気と強い意志をもってチームを率いて、インドネシアの島で孤立し軟禁状態となっている約2,000人の漁業従事者を救出。この救出活動によって、2017年にはノーベル平和賞にノミネートされ、2019年にはドキュメンタリー映画 Ghost Fleetの題材となりました。

パティマは現在も、海や陸に拘わらず、あらゆる場で必要とされている社会変革の牽引者として、その活動を続けています。

10. Nguyen Thi Van

活動国: ベトナム

運営団体: Will to Live Capacity Building Center for People with Disabilities (WLC)

取り組む課題:障がい者の自立支援とソーシャル・インクルージョンの促進のために、コンピューター・スキルやライフスキルを提供する無料プログラムを提供。また雇用促進のために、デザインやウェブサイト作成等のスキルを身につけた障がい者の雇用プログラムも運営する。

ヴァンのストーリー:

ヴァンは NPO The Will to Live及び、画像編集サービスを提供するImagtorの共同設立者です。

ベトナム北部のラオスとの国境に近い貧しい田舎で重度の障害を持って生まれたヴァンは、同じく障がい者である兄のフン(2012年逝去)と同様、障がい者には限定的な役割しか認めないベトナム社会に何度も希望を打ち砕かれました。

その経験を糧に、公平な仕事環境の創出支援を目的として、2003年にNPO The Will to Liveを設立。ベトナム国内で不利な状況にある若者に対して、無料のIT、英語、職業訓練コースを提供し、これまで1,000人以上の障がいを持つ若者に教育・就業サポートを行いました。

彼女が経営するImagtorは、プライベート・カンパニーとして82名の従業員を雇用、うち50%以上は障がいを持ちながら、画像編集サービス業務に携わっています。そして、株主利益の40%をベトナム国内の障がい者支援及び他の社会課題の解決のために使っています。

また、2015年には、ベトナムで初の障がいを持つ女性のためのファッションショー、「私もあなたも美しい!」を開催。美しさの多様性について社会に発信しました。2019年にはForbes ベトナムにより、「最も影響力のあるベトナム女性50人」の一人に選出されています。

今まで、Earth Companyはこのなかから1人選出する
IMPACT HEROに対してのみ支援を提供してきましたが、
2021年からはIMPACT HERO以外のファイナリストにも、
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