速報!インドネシア最東端、ニューギニア島に愛溢れるエンジェルヒロミ パプア助産院オープン!
【プロジェクト概要】
助産院名 |
AHBS (Angel Hiromi Bumi Sehat) Papua
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所在地 |
インドネシア パプア州 ジャヤプラ
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建設期間 |
2017年5月〜2018年1月(最終完工は未定)
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金額 |
1,000万円(見込み)
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東京から真っ直ぐ南に5,000キロ、パプア
アース・カンパニーは、IMPACT HERO 2016ロビン・リム率いるブミセハット国際助産院と共に、パプア州の州都ジャヤプラに新しい助産院を建設しました。ニューギニア島は西半分がインドネシア領、東半分がパプアニューギニアという独立国ですが、大戦中は日本軍が占領したこともありました。独立を望む人が多いパプアでは、もう半世紀以上の間、インドネシアから無差別暴力や弾圧を受け、国軍や警察によって殺害されたパプア人は10万人以上に上ると言われています。
ニューギニア島の民族は数百を超えると言われており、都市部と内陸部で文化も風習も全く違った顔を見せてくれます。
インドネシア・パプア州には、今やインドネシア国内からの移民もいますが、先住民パプア人は、肌の色や生活様式、文化はまるで太平洋のメラネシア。
生活レベルは場所によって様々ですが、例えば湖畔で水上生活を送る人たちは魚の養殖や伝統工芸品の販売を生業としており、1ヶ月の世帯収入は一家全体で約1.5万円。栄養状態、衛生状態が悪く、出産時に母子が亡くなることも少なくありません。
今回建設した助産院は、州都周辺の人たちに加えて、山間部の住民もキリスト教系団体(Mission Aviation Fellowship)の協力を得て、緊急時は飛行機で搬送できるようになります。
パプアの悲惨な医療環境
現地では医療へのアクセスが限られ、出産をサポートする医療体制が不十分。州で一番の大きな公立病院には、産婦人科に常勤の医師はおらず、出産時に呼び出しても間に合わず母子が死に至ることも少なくありません。
町の診療所では出産直後の赤ちゃんをランプで温めていたり、助産師に必要な知識が不足。
さらに、責任を負いたくない診療所はすぐに近くの病院に妊婦を送ってしまい、病院では効率化のため不必要な帝王切開が日常茶飯事。病院が請求する手術費用は母子の大きな負担となっています。
政府も問題は認識していますが、人も物もお金も圧倒的に足りない。「パプアには問題が山積しており、日々苦しむ人がいますが、私たちを助けてくれる人は誰もいない」と、保健省の担当者は嘆いていました。
パプアを変えるために立ち上がったひとりのお母さん
3児の母、レイチェル。第一子はパプアで、二子・三子はバリのブミセハット助産院で出産しました。パプアでは彼女の意に反し、不必要な帝王切開をされてしまうという辛い経験をし、念願の自然分娩をするために、テレビで見たブミセハット助産院のロビンに相談し、二子・三子は望んだ通りの幸せなお産ができました。「辛い思いをしているパプアのお母さんたちに、何とかブミセハットを届けたい!」そう強く願うようになりました。
しかし、助産院建設には約1,000万円のお金がかかり、「普通のお母さん」の彼女には到底用意できない額です。そこで彼女はYoutubeで支援を呼びかけました。
とある日本のMさんという方から大きなご支援の話をいただいた時に、このビデオを見て、また、ロビンから話を聞いていたアース・カンパニーは、「まさにこれだ!」とこの支援プロジェクトの提案をしました。そしてMさんがこれを快諾してくださり、実現することが決まりました。ビデオが出てから2ヶ月後のことでした。その吉報を伝えた時レイチェルは、「信じられない!これまで誰も振り向いてくれなかったパプアにとって、奇跡だわ!!!」と泣き崩れました。
多くの人の想いを形にする、助産院建設プロジェクト
助産院建設の資金面の目処が立ち、アース・カンパニー、ブミセハット、レイチェル一家の共同プロジェクトが始まりました。助産院の土地は、牧師であるレイチェルのお父さんが寄贈してくれ、アース・カンパニーとブミセハットが測量し設計案を描き、それを元に建設が始まりました。
レイチェルは工事中から地域の妊婦たちにブミセハットが提供したビタミン剤を配り歩き、外国人コミュニティからもベビー服やベッドなどの物資寄付が寄せられ、地域の妊産婦さんたちのみならず街中が、助産院の完成を待ち望んでいました。
工事業者を3回変えざるを得なかったり、予算をオーバーしてしまったりと紆余曲折ありましたが、2018年1月27日、予定より2ヶ月遅れでなんとか無事オープンすることができました。クリニックの名前は、Mさんの奥様のお名前をいただき、Angel Hiromi Bumi Sehat Papuaに。
多くの人の願いと想いと希望が詰まった助産院のオープニングでは、ロビンもアース・カンパニー代表濱川も、レイチェルとその家族、そしてMさんも、熱いものがこみ上げました。
ようやくスタートに立ったブミセハット助産院
エンジェルヒロミパプアクリニック
実は、インフラが整備されていないパプアでは建設費が想定以上にかさみ、本格オープンに必要な内装や医療器具が未だ揃っていません。歌がプロレベルのレイチェルは歌を作曲し、ブミセハットと共に追加の費用を集め始めています。アース・カンパニーも引き続き、寄り添っていきます。
パプアにも「愛ある安全なお産」を実現するために、ぜひこれからもあたたかく見守ってください!
〜コラム〜Mさんの寄付にこめられた想い
ブミセハットの新しいパプアクリニックは、日本のMさんからの寄付で建設が実現しました。Mさんは2016年春に最愛の奥様を亡くされ、深い悲しみのなかにいらっしゃった時に、アース・カンパニーの支援者を通じて、私たちの活動を知ってくださいました。
奥様は生前、ご自身も病気であることに気づきつつも病院に行かず、献身的にご両親を介護されました。
Mさんは奥様から遺産を相続されましたが、心優しく、献身的だった奥様の残されたものを無為に使いたくない、意義ある形で世界に残したいと考え、奥様の想いを形にするパートナーとしてアース・カンパニーを選んでくださいました。
この寄付でパプアに助産院が完成したほか、東ティモールでは環境学校の収益事業となるエコホテルが、マーシャル諸島では気候変動教育をするユーストレーニングセンターが、そして来年にはフィリピンのパラワン島にも別の助産院が開設される予定です。
奥様はもうこの世にいらっしゃいませんが、Mさんと奥様の思いは新しい命を芽吹かせ、次世代に未来への希望を与えながら、これからもずっとアジア太平洋の各地で生き続けていきます。