「幸福な社会の育み方」
2018/9/9(日)に開催された、ロビン・リム来日ツアー公式イベント(主催:一般社団法人Earth Company)。
本イベントの第1部はロビン・リムによる講演。そして第2部では、社会起業家として貧しい妊産婦に無償医療を提供する助産院を創設した彼女と、日本の女性社会起業家のパイオニアでもある株式会社アバンティ社長・渡邊智惠子氏との対談が実現しました!
常に新しい道を切り拓いてきたその生き方、自然への深い感謝など、共通点も多いスペシャルな2人の対談のハイライトをレポートします!
ロビンも渡邊社長も憧れた、「マザー・テレサ」
Earth Company 共同創設者濱川知宏(以後、EC知宏):
今日のイベントのテーマは、「『現代のマザー・テレサ』ロビン・リムに聞く、幸福な社会の育み方」です。そこでロビンと渡邊社長、お二人にとって「マザー・テレサ」とはどんな存在なのか、教えてください。
アバンティ社長 渡邊智惠子(以後、渡邊社長):
私も子どものころから「マザー・テレサ」は大好きで、マザー・テレサのようになりたいと思っていました。でもすぐに無理だと気付きました。私はマザー・テレサやロビンさんのように無償で働くなんてできないもの!私は、お金を稼ぐことのが大好きなの!笑
(会場に笑い声が広がる)
マザー・テレサのような活動はできないけれど、私は私のやり方で、もっともっとお金を稼ぐことで、貢献したいと思っています。だってお金がたくさんあれば、その利益をロビンさんのような素晴らしい社会的な活動のために使えるでしょ?「愛あるお金の使い方」が大事。だからみなさん、もっと私の商品を買って!
(会場爆笑)
IMPACT HERO2016 ロビン・リム(以後、ロビン):
マザー・テレサは、母が子どもの頃に話をしてくれて、私も憧れていました。実は、私のミドルネームは「テレサ」って言うんです。
(会場がざわつく)
私のことを「現代のマザー・テレサ」といってくれて、それはとても嬉しいですが、私とマザー・テレサには大きな違いがあります。マザー・テレサは、世界中の教会が支援してくれていたけれど、私を支援してくれる団体はEarth Companyだけだもの!
(再び会場に笑い声が広がる)
2人の考える幸福な社会とは
EC知宏:
本イベントの趣旨は「幸福な社会の育みかた」です。お二人にとって「幸福」とは何ですか?
渡邊社長:
私にとって幸福な社会は、包容力だと思っています。それは「正義は一つではない」ということ。
新しいものが開発されると、人は「このほうがいい」と決めて、昔からあるものよりも新しいものを選びがちです。たとえば、アクリルたわし。アクリル毛糸で作ることができて、洗剤も使わないで汚れが落ちるから、特に東日本大震災の後、画期的だと言われてみんな使っていましたね。
この会場でも使っている方、いらっしゃいませんか?
(数名が挙手)
でも今は、その汚れを落とすアクリルたわしの繊維が、海洋汚染につながっているんです。知ってましたか?知らなかったでしょ?
新しいものって、できたその時は素晴らしい!ってみんな飛びつくんだけれど、後から実は悪い影響があると気付くことも多いんです。「本当はあまりよくない」と知ったら、元に戻ることが大事。だから一度得た情報を信じ続けるのではなく、「問い続けること」が大事なんです。
ロビン:
私の幸福の源は家族です。それが全てです。
そして、今渡邊社長が今おっしゃったように、常に問い続けることが重要です。何が正しいのか。自分は何をするべきか。自分の役割は何か。
地球上の人々一人一人に役割があります。みなさんの役割が、赤ちゃんを安全に丁寧に取り上げることではありません。
でもここにいるみなさんにも、必ず役割があります。その役割、使命、天命がなんなのか、それを地球上の人々全員が考えて、それぞれの役割を果たしたとしたら、それはすでに幸福な社会です。全員が力を合わせれば、幸福な社会は可能です。
EC知宏:
さっき渡邊社長がおっしゃった「包容力」もそうですし、ロビンもしばし、これからは女性的な時代が来ると言っています。しかし、日本社会も含め、まだまだ男性主導の世の中です。もっと女性的な社会はどのように作っていけばいいのでしょうか?
渡邊社長:
これからは、理性よりも感性の時代。人とは感性をなくしては考えられないし、心を求める今の時代に求められているものが感性だと思います。感性の視点から、人間の心の中から湧き上がってくるものを育てていき、そして人に迷惑をかけないために理性を使う。こうしたことが大切だと思います。
感性は女性が得意とすること。だからこれからは、女性の感性をもっと生かして幸福な社会を育んでいきましょう。
ということを最近出版した私の著書「女だからできたこと」に書いてあるので、是非読んでください!
(会場爆笑)
ロビン:
そうですね。男性を排除するのではなく、男性を巻き込んで、協力しながら、新しい幸福な価値観を作っていきましょう。
今朝、知宏と東京の街を歩き、すれ違う人々を見ながら、この一人一人にそれぞれの人生やストーリーがあるんだなぁ、と思い感動していました。そしてオバマ大統領とトランプ大統領の違いについて話しました。どれだけオバマが素晴らしかったかと笑 その根本的な違いは、女性や家族を大切にするかにあります。
オバマ大統領が始めた素晴らしい政策の一つに、全ての人にヘルスケアを、というのがありましたが、それは彼のお母さんがかつてヘルスケアを受けられなかった過去があったからでした。女性に対してのリスペクトは、人間的魅力です。
ロビンの計らいで赤ちゃんも登壇?
実は、この対談の途中で、通訳を担当していたEarth Company 代表・濱川明日香の生後5ヶ月の第三子・弥(あま)ちゃんが会場後ろの部屋で大泣きするハプニングが発生!
しかし、いつどんなときも「お母さんと赤ちゃんの味方」のロビンは、ベビーシッターがあやす弥ちゃんのもとへすぐに壇上から駆け付け、弥ちゃんを抱っこすると急いで再び壇上の母・濱川明日香のもとへ。
途中、ロビンのピンマイクを通して会場中に弥ちゃんの泣き声が大音量で響き渡るも、弥ちゃんはお母さんに抱っこしてもらうとすぐに泣き止み、満足そうにしていました。
イベント最初に濱川明日香が登壇した際は長女・響(ゆら)ちゃんが壇上に上がり、足に抱きつく響ちゃんと共にプレゼンする濱川。そして対談が始まる時は、次は第二子の禅くんが一緒に壇上へ。そして最後にはついに第三子・弥(あま)ちゃんまで登場するというハプニング続きで、家族感満載の異例のイベントとなりました。
渡邊社長も観客の皆さんも一部始終を笑顔で見守ってくださり、予期せずして次世代を担う子どもたちも一緒に家族で登壇する、なんともEarth Compnayらしい?対談に会場が温かくなった時間でした!
渡邊社長、素敵な対談をありがとうございました!!!
ブミセハット国際助産院:https://bumisehat.org/ja/
渡邊智惠子オフィシャルサイト:http://chieko-watanabe.com/