Case 4. IMPACT HERO 2019 ウェイウェイ・ヌー(平和構築)
社会的圧力により、18歳から7年間を刑務所で過ごしたロヒンギャ出身のウェイウェイは、「ミャンマーを変えたい」と社会起業家として、ミャンマーのヤンゴンとバングラデシュのコックスバザールの難民キャンプで教育事業を展開しています。
また、自身は米国オバマ・ファンデーションのプログラムのため、アメリカのワシントンでアドボカシー活動していることもあり、参加者からはアメリカでの事件を発端に世界中でデモが起きている人種差別について多く質問が寄せられました。
「人種差別は、人々や社会のシステムに深く根付いている問題です。問題を解決するには、まず最初に、当事者の声を聞き、そして声を聞いたからには共感し認めることが大事です。
差別問題は、どの法律やどの政策、そしてそれらのどんな運用の仕方が問題を生み出しているかを整理する必要があります。解決のためには、ビジョンをもち、人々の声に耳を傾けられるリーダーのアクションが求められています。
『自分と似ている人が好きだし、共感する』ことは人間として自然なことですし、他人に偏見を持ってしまうこともあります。それを認め、自分との違いを否定せず、どう乗り越えるかが大切です。
『自由の国・アメリカ』では、ダイバーシティーを歓迎している人がたくさんいて、声を上げることができますが、私の国では違います。
話し合いたくても、言語の壁によって、そもそもコミュニケーションができない。別のコミュニティが一緒になる機会がない。解決には、弱い立場の人たちのテーブルをリフトアップしてあげないといけません」
参加者の中には、無意識に「偏見を持ってしまう自分」に対して、モヤモヤしていたという方もいました。
ですが、ウェイウェイの答えに、「偏見を持ってしまう自分」をまず受け入れて、相手に共感し、認め合うことの大切さを学ぶことができました。
人種や民族、宗教、ジェンダーなど…それまでの講座でも多様な背景を持つ人々の社会課題について触れてきたケーススタディ編。その最後にふさわしい回となりました。
ケーススタディ編は、それぞれの回でIMPACT HEROたちの話に「何を感じたか」をグループで共有し、最後に全員で思いを分かち合う時間をもちました。回を追うごとに、社会課題だけでなく、参加者同士の理解も深くなっていく…そんな素晴らしい時間を創れたことに、Earth Companyとしても嬉しく思います。
そして、そんな体験をもっとたくさんの方にご提供したい!ということで、第2期の募集を開始しました。ぜひ一緒に、社会変革のスタートラインに立ってみませんか?