10月 3, 2023

【プログラム事例】事業部横断で実施し未来型企業への推進力に

2023 年 3月~7月、一般社団法人Earth Companyは人と自然が共繁栄するリジェネラティブな未来をつくるため意識醸成と組織開発を目的とした全7回の研修プログラムを、辰野株式会社(大阪府大阪市、代表取締役:辰野光彦、以下辰野)に提供しました。

研修には、若手社員から部長職まで23名が参加SDGsのその先のあり方として、世界で注目されている「リジェネラティブなあり方」を学び、これからの事業の在り方、会社のあり方についてそれぞれの思いや考えを共有しました。

 

研修の目的

50年後、100年後の未来のため
これからの企業活動は「リジェネラティブ」を軸に

 

このプログラムの導入は、辰野の辰野光彦氏が、Earth Companyが主催するRegenerative Futures Camp 第2期に参加したことがきっかけでした。

これからの個人や企業のあり方として、「人と自然が共繁栄するリジェネラティブなあり方」の重要性を感じた辰野氏が、自身が経営する企業でもそれを実践するために導入を決定。「衣力住」として人の生活に近い事業を展開する辰野が、「地球がよりよい状態になるために行動を起こせる企業となるには、何ができるのか」を本気で考えていく第一歩として、社内で今後推進役となることが期待される部長職他、若手メンバー23名を対象に実施しました。

 

研修内容

個人の価値観を見つめ直し
企業として目指したい未来を共有していく7回の “キャンプ”

SDGsに関する研修や取り組みは多くの企業で行われていますが、知識や情報としての座学も多く、本当の意味での個人の意識変革や「自分事化」につながっていないという声を多く聞きます。それを解消するために、Earth Companyでは、まずは個人の価値観を見つめ直し、そこから企業として目指したい姿やビジネスにつなげていく研修プログラムを設計しています。

今回はそのプロセスを、2時間×7回と合計14時間じっくりかけて行いました。さらに、日常の業務と離れて、これからの企業のあり方を考える場にしたいという社長の思いから、「研修」ではなく、あえて「キャンプ」とし、このプログラム名称は「Regenerative Tatsuno Camp」に。お互いを「キャンプネーム(カリー、もぐら、オードリーなど)」で呼び合うことにし、いつもの業務よりも、より距離を縮めてお互いに話し合いやすい雰囲気づくりを心がけました。

7回のキャンプでは、地球規模の課題整理・現状把握から入り、様々なリジェネレーションの解決策・事例を心で感じ頭で理解した後に、後半では一企業としてできることを考え始め、最後にリジェネレーション宣言という形で最終発表の場を設けました。

【キャンプ概要】

Day 1:ディジェネレーションな現在を知る~地球規模の課題整理・現状把握~
Day 2:これからのあり方「リジェネレーション」を学ぶ
Day 3:個人の「あり方」を考える/個人としてできることを考える
Day 4:企業として目指したい「あり方」を考える
Day 5:企業としてできることを考える①~アクションを考えるための思考フレーム、国内外の事例の紹介
Day 6:企業としてできることを考える②リジェネラティブビジネスキャンバス、Mana Earthly Paradiseでの実践例の紹介
Day 7:リジェネレーション宣言

 

参加者の声

「同僚や他社にもおすすめしたい度」100%!
「勉強ではなく、とても大事なものが身に付いた」の声

 

人の一生は短いが、世界はずっと長く続いていく。自分が生きた後の50年後、100年後とか、自分の生きた後の世代にとって意味のある生き方をしたいし、企業としてもそうありたい。そのために、目の前のことを犠牲にしたり我慢したりしなくても、今の時間を楽しみながら、地球がよりよい状態になるための行動を起こせる

そんな辰野氏のメッセージからスタートした、今回のRegenerative Tatsuno Camp。回を重ねるごとに参加者の満足度や関心も高まり、最終回を迎える頃には参加者の多くが「これから何ができるか、ワクワクしてきた!」とキャンプ後のアクションに意欲と期待を高めてくださったことが印象的でした。

キャンプ後に行ったアンケートでは、参加者全員が「同僚や他社にも参加をおすすめしたい!」と回答。その理由として、

 

「自分が変わったことを実感している」
「キャンプを受けていると仲間とやれる事が多々ある事が発見できる」
「このような考え方の輪を広げるのは重要だと思うし、共感した人の使命のように感じる」

 

などの嬉しい声をたくさんいただきました。そこで今回は3人の参加者に「参加前はどう思っていたか」「参加後にどんな気持ちの変化があったか」をインタビューさせていただきました。

 

従来の研修やセミナーと違う感じで 非常に共感

(不動産事業部 妹背 武馬 さん)

今から24年前、辰野はISO14001の規格を認証取得しました。私は専任でプロジェクトに関わっていたのですが、でも当時は社会からの要求に対して行うという色合いが強く、社員の意識はついていってなかったんですよね。

だからこのキャンプの件を最初に聞いたときは、「あの時と一緒ちゃう?」と思ったわけです。でもDay1で社長が、会社の社会的責任ではなく、個人的な体験から必要性を実感され、それが今の自分の立場ならもっと拡げることができる、だから会社としても取り組んでいきたいと話すのを聞いて「今回は違うんだ」、と強く感じました

また、Earth Companyの活動を聞いて「この人たち本気なんだ」と感じました。本気だから、何かを教えるとかではなく、「自分たちもやっているけれども、皆さんにも何かできることがありませんか」っていう切り口なんだろうなと。だから非常に入りやすかったですし、従来の研修やセミナーと違う感じで、非常に共感しました。

研修後、参加者同士で話の切り口はだいぶ変わりましたし、事業部を超えた情報共有も行い、共通の話題になっています。それがこの先ももっと増えるだろうし、今度は社員の意識も変わっていっているのを感じています

「そんなのできるのかな?」から
「これは真剣にやらなければならない」へ

(ファッションライフ営業部 佐伯沙南さん)

今年の4月からファッションライフ営業部で「リジェネチーム」の発足と、私自身のチーム配属が決まっていましたが、経済活動とどう両立させるのか腑に落ちない状況でした。昨年から「何か新しいことをしよう」という部署の話し合いのなかで、サステナブルな商品については、やってみたいが、値段や需要の問題から取り扱いは難しいという結論に至った後だったので、「できるかな?」という戸惑いがありました。

でもキャンプが始まり、気候変動対策を訴えるキャシーさんの動画をみて心揺さぶられたDay1から、回を重ねるたびに「これは本当に、真剣に取り組まないといけない」と思うようになりました。自分事としての納得感とか、何か腑に落ちていく感じがとても大きかったです特に「楽しくないと広まらない」っていう言葉には、本当に共感しましたし、その共感を広めたいと思うようになりました。そのための具体的なアクションやそのマインドの大事さを学べたのも、すごくよかったです。

以前はサステナブルを意識した生活もあんまりしていなかったのですが、参加して「どうせ私1人がやっても」という思いもちょっと払拭されました。1人の行動でも意味があると思えるようになったのは、大きな変化です。

「辰野の意義」を社会に発信し始められるようになった

(ファッションライフ営業部 石田優輝さん)

持続可能なあり方は気になっていましたが、敷居が高く、学んでもライフスタイルや仕事に落とし込んでいけるのか疑問でした。だから社長には、「知識はいいから、実践している人とのセッションなど、とにかく体験してみたい」と訴えていました。

そのタイミングでのこのキャンプでしたが、実際に参加し、「意識高い系の人がやること」ではなく、誰もが日常気にしているもので、堅苦しいものではないことがよくわかりました。

キャンプで人間的にも昇華できた部分があるような気がします。自分はおしゃべりなので、仕事でもプライベートでも学んだことを語らずにはいられないのですが、そうしていたら知り合いから、いろんな相談が来るようになり、リジェネラティブに関する仕事が増えてきました。それらを通じ、私たち辰野がいる意義や価値を世間に発信でき始めていると感じています

気候危機やプラスチックごみ問題など世界で起きている社会課題や環境問題を、個人の価値観として自分事に感じられるようになると、「それをビジネスでどう実現していくか」も腹落ちした状態で考えられるようになります。そこから生まれるアイデアこそが、本質的に状況を変え、人と自然が共繁栄できる未来をつくっていくとEarth Companyは考えています。

そんな未来にむけて、Earth Companyはこれからも、社会課題とSDGsの最前線からその「リアル」を届け、持続可能な未来にむけたビジネスをつくりだす人材育成の機会を提供していきます!