8月 23, 2023

【プログラム事例】ソーシャルイノベーターとしての内発的動機を生み出す1日研修

2023 年 7 月、一般社団法人Earth Companyは株式会社リンクアンドモチベーションが提供するソーシャルイノベーター研修のプログラムのコンテンツとして、株式会社NTTデータに社会課題を自分事化する視点を体験する1日研修を提供しました。

研修には、ソーシャルデザイン推進室の6名の社員が参加し、世界を舞台にビジネスで社会課題の解決を実践するチェンジメーカーの「ソーシャルイノベーションを生み出す内発的動機の本質」を体験しました。

研修の目的

ソーシャルイノベーションの創出へ!
途切れることのない「内発的動機」を生み出し、育てる

 

 

ソーシャルデザイン推進室では、生活者視点で新しい社会をデザインし、社会課題解決に向けて企業・業界の枠を超えたビジネスに取り組み、前例も正解もない未来をつくるために途切れることのない「内発的動機」を生み出し育てるために、株式会社リンクアンドモチベーションが企画するソーシャルイノベーター研修を導入しました。

Earth Companyの研修は、全10回のプログラムで対話と体験を繰り返しながら「内発的動機」を育んでいくソーシャルイノベーター研修のコンテンツの一つとして提供。「30年後の社会課題と生活者視点を、高い解像度で行き来できる、自分事化できる視点を得る」ことを目的に実施しました。

研修内容

社会課題を世界的なビジネスで解決するインパクトヒーローから
情熱を注ぎ続けられる「心のあり方」を学ぶ

30年後の社会課題と生活者視点を高い解像度で考え、自分事化できる視点を身に着けるために、今回の1日研修では、社会課題をビジネスで解決するインパクトヒーロー 2022 サミール・ラカーニの生き様、あり方から学ぶセッションを含む、6つのセッションを行いました。

 

 

1.Degeneration~地球規模の課題整理・現状把握~
2.個人のあり方~社会課題をビジネスで解決している人は、どのような想いで取り組んでいるのか~
・インパクトヒーロー 2022 サミール・ラカーニ登壇
3.個人としてできること~社会を構成する一人の消費者として何ができるのか~
4.企業のあり方~ソーシャルデザイン推進室が掲げる『信頼をつむぐ』を五感で表すと?~
5.企業としてできること~国内外の事例と、企業変容の4つのドライバーの紹介~
6.個人として、企業としてありたい姿ややりたいことは?

 

インパクトヒーロー 2022 サミール・ラカーニは、この日のためにタンザニアから時差を超えてオンラインで登壇しました。

カンボジアの農村で、洗濯洗剤で赤ちゃんを洗う母親の姿を見て衝撃を受けたことから、「石けんすら買えない貧しい人たちや、衛生状態が悪いために下痢や感染症など予防可能な病気で命を落とす子どもたちを一人でも減らしたい」と、2014年にEco Soap Bankを立ち上げたサミール。

今や世界5か国で、製造工場から廃棄される未使用の石けんを回収し、NGOや国際機関と連携して必要な人に届ける事業を展開し、廃棄物削減、女性の雇用創出、衛生習慣と健康の改善を同時に実現するサミールは、まさに「社会課題をビジネスで解決」している実例です。

サミールへのQ&Aの時間でも、どんな困難にあってもこの活動に情熱を注ぎ続けるサミール自身の内発的動機について共有する場面もあり、参加者の方からは「覚悟を感じた」という声もありました。

参加者の方と同じ年代で、すでに世界を舞台に社会課題をビジネスで解決しているサミールのリアルな声を感じていただきながら、午後のセッションでは、「一消費者でもある個人として何ができるのか」「企業としてどうありたいか」「企業としてありたい状態を実現するために、何ができるのか」を深めていきました。

 

 

写真:「企業としてどうありたいか」を深めるセッションでは、「ソーシャルデザイン推進室のビジョンのフレーズにある『信頼をつむぐ』という言葉を、五感で表すとどんな感じなのか」をテーマに参加者で色鉛筆で表現していただく時間も。言葉だけでなく、色彩や絵で表現することで、より解像度の高い共有ができました。

参加者の声

社会課題解決も事業の利益も両立する、「トレードオン」の実現へ

1日の研修を経て、社会課題の現状や、社会課題解決の最前線を感じた参加者の方からは、

1つの社会課題でも関わる立場によって、感じ方が違うことがわかった。親か子でも違うし、第三国かどうかでも違う。当事者たちが集まっても視点や立場の違いがあるなかでどうすれば解決できるのかモヤモヤするが、今まで自分が考えていた『サステナブル』とは全く違うことが分かった

「『あなたの会社が存在することで、世界はよりよくなっていますか』というポール・ポルマンの言葉に、自信を持って『Yes』といえる会社にしたい。利益と社会課題のトレードオフではなく、トレードオンを実現していきたい

「環境問題も一つの側面しか見ているだけでは、本質的ではない。本質を見出していくのが大事だと思った。大変だとは思うが、1つでもトレードオンの事例をつくり、それを社内外に発信して、それがスタンダートとなっていく架け橋をつくりたい

など、利益を追求して社会課題を生み出すのではなく、社会課題を解決しながら利益も生み出す「トレードオン」の考え方に共感し、今後への思いを新たにされた声が寄せられました。

また、研修の最後には担当執行役員 濱口雅史氏から

社会課題を解決するのは大変なこと。でもインパクトヒーローのように、活動をしている人もたくさんいる。あんなことができるんだ、あんなふうにできるんだということをぜひ知ってほしい。モヤモヤはするけれども、モヤモヤの中から素晴らしいものが生まれる。ぜひモヤモヤを大切にしてほしい

と参加者のこれからの活躍を応援する、温かいメッセージもいただきました。

 

社会課題を捉える視点が変わると、社会課題を自分事として捉えられるようになり、「自社のリソースを活用し、事業でどのように解決していくか」という想いが生まれてくるようになります。

Earth Companyはこれからも、社会課題とSDGsの最前線からその「リアル」を届け、持続可能な未来にむけたビジネスをつくりだす人材育成の機会を提供していきます。