リジェネラティブな未来を創るために必要なこと(濱川明日香/濱川知宏)
日時:2023年10月14日(土)14:00-16:00
会場:KIGI(東京都千代田区永田町2-10-2 株式会社 Innovation Design/B corp認証取得)
登壇者:
イベント内容:
「リジェネラティブという言葉を知っている人はどれくらいいますか?」という濱川の問いかけに7割程の方が手を挙げるほど、会場にはテーマに関心の高い方たちが集まりました。今回は、Earth Companyのイベントに初めて参加する方が約半数だったということもあり、団体概要を交えながら、ミッションとして掲げている「リジェネラティブな未来」について語りました。
長年、国際開発の現場に触れてきた濱川明日香・知宏は、根本的な問題として、経済発展すればするほど社会課題・環境課題を生み出してしまうそもそもの社会のあり方を見直さなければならないという問題意識をもっています。
このあり方によって、私たちの心身も、社会システムも、また地球も過度なストレスを持ち、さらには互いに負の影響を与え合うサイクルに陥ることで「ディジェネラティブ(社会・環境課題を生まないと発展できないあり方)な社会」が増長しているのです。
今世界はサステナブル(持続可能性)な社会の実現を目指していますが、今の社会のあり方を変えずにこれまで破壊してきたものを修復するだけでは、根本解決に至りません。Earth Companyが目指すリジェネラティブな未来とは、これまでの社会のあり方を見直し、私たちの生活や消費行動が、海の向こうの人びとや自然環境も豊かにする、まさに「人と社会と地球の共繁栄」を目指すものだと語りました。
また、Earth Company最高探求責任者 濱川知宏からは、リジェネラティブな未来を実現する鍵となるのは個々人のマインドセットであり、「Trade-off思考からの脱却」「Be-Do-Haveというありたい状態を大切にする価値観」という考え方を紹介いたしました。
現在、世界の土地のうち25%が既に劣化していると言われています。アリーフは荒廃地に、竹と数種類の植物を栽培・管理する「バンブー・アグロフォレストリー」を導入することで、土地の再生と生物多様性の回復、更には農村部での収入向上を実現させる「バンブービレッジ構想」を立ち上げました。
アリーフの「バンブービレッジ構想」の素晴らしい点は、
①根の長さの異なる植物を同じエリアに植えることで、網状になった根が地中に水を貯え植物に届け土壌を回復させる
②竹は二酸化炭素を吸収し、収穫した後も炭素を固定する
③竹は苗植えから4-7年で収穫でき、他の木材用の樹木よりはるかに成長が速い
等が挙げられます。
アリーフの取り組みは、竹の持つ特性を活かした土地の再生にとどまらず、収穫される竹と農作物から地元の農家が収入を得られるというように、現地で働く人達の収入向上にも繋がっています。土地の再生・植林活動に経済価値を生み出していることが、アリーフの活動の革新的な点の一つです。
このバンブービレッジ構想は、UN Decade on Ecosystem Restoration(国連生態系回復の10年)で推進するプログラムとして採択され、今後国際機関とパートナーシップを組み、12ヶ国に展開していく予定です。
イベント後半では、アリーフと濱川明日香に加えて、サントリーホールディングス株式会社CSR推進部長 一木典子氏、一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花氏をお招きし、パネルディスカッションを行いました。
モデレーターを務めた濱川知宏から、
「リジェネラティブな未来を創るために、ブレイクスルーとなるものがあるとしたら何か?」
「日本で竹を使った土地の再生活動の受け入れられ具合や、感じた連携の可能性は?」
「世界中を飛び回りながら、最前線で活動をしながら地に足をつけていられる秘訣は?」
という質問を交えながら、リジェネラティブな未来を創るために企業や個人の立場でできること、について議論を深めました。
アイスブレーキングとして、アリーフが紹介したのがバンブーヨガ。 ”竹が未来の資材として素晴らしい5つの理由”として
を体を動かしながら説明し、楽しく分かりやすく、竹が有するいくつもの可能性を伝えました。
–IMPACT HERO 2021アリーフ・ラビック
-サントリーホールディングス株式会社CSR推進部長一木典子氏
-一般社団法人エシカル協会 代表理事 末吉里花氏
-一般社団法人Earth Company 代表理事 濱川明日香