ご報告:バリ島アグン山噴火緊急支援|温かいご支援ありがとうございました!

アース・カンパニーが拠点をおき、IMPACT HERO 2016ロビン・リムが運営するブミセハット国際助産院の活動拠点でもあるインドネシア・バリ島。
このバリ島で、2017/11/25に、バリヒンドゥー教総本山アグン山で複数回の噴火が発生し、警戒レベルが最高度「4」に引き上げられました。

10万人以上の住民に避難命令が出されるなか、日本のみなさまからの支援で建設されたブミセハット新クリニックにも128名(2017/12/5現在)の避難民が駆け込みました。彼らに食事や医療の無償提供を行う他、22ヶ所の避難所への往診サービスなどの緊急支援活動も行うロビン・リム、そしてブミセハット助産院を支援するため、アース・カンパニーは2017/12から2018/2までの3ヶ月間、緊急支援を行いました。

ここでは、アグン山の状況やブミセハット助産院が提供した支援、みなさまのご支援によって提供できたことをご報告いたします。

アグン山噴火緊急支援結果のご報告

支援目標金額

58万円

支援達成金額

195万円

寄付件数

42件

温かい多くのご支援、本当にありがとうございました!!!
1.アグン山の噴火状況

バリヒンドゥー教総本山でもあり、「火の神が住む山」と言われるアグン山は、約50年前(1963~64年)には20世紀最大規模の大噴火を起こし1,000名以上の死者を出した活火山で、2017/9/22に噴火警戒レベルが「4」となり、一時は14万人以上が避難しました。

以降、一旦火山活動は収まり警戒レベルは下げられたものの、火山性地震は続き2017/11/27に再び警戒レベルが最高度「4」に引き上げられます。

このとき火山灰の黒煙の高さは最大約9000メートルに達し、火口周辺で降灰が確認され、火口から吹き出た岩石が一部の川では豪雨と混ざり土石流が発生。11/29には前例のない地震が観測され、大規模噴火と火砕流発生の可能性を政府が予測。「大規模噴火間近の非常に危険な状況」と発表しました。
これによりアグン山周囲10~12km圏内の立ち入りが禁止となり、10万人以上の地域住民に避難命令が出され、デンパサール国際空港も一時閉鎖されました。

2.ブミセハット助産院の支援活動

ブミセハット助産院には、2017/11/25の噴火以降、妊産婦や、病気やケガを患う患者やその家族など避難者が駆け込み、その数は12/5現在で128名になりました。
そのうち30名のお母さんと子どもたちは、火口周辺の村から4時間も真っ暗な夜の山をブミセハット助産院目指して歩いて避難。連絡を聞きつけたブミセハット助産院が、夜中の3時に車で迎えに駆け付けると、みんな手をあげて喜んで走ってきたそうです。

以降、ブミセハット助産院では避難者に食事や医療ケアを提供。

また、噴火活動により火口周辺には高濃度の二酸化硫黄が含まれるため、マスクが必需品ですが、使い捨てではない子供用マスクは1枚43ドルと非常に高いためマスクを手作りし、3100枚以上のマスクを配布しました。

他にも、仕事がなく収入に不安を抱える避難者への畑仕事の紹介や緊急時の対処法の教育など、「現場で求められている支援は何でも行う」という方針で、ロビンとブミセハット助産院の全スタッフがシフトを増やし、フル稼働で昼夜献身的に活動を続けました。

さらに、地域の支援コーディネーターとして、支援が行き届いていない避難所に医薬品や食糧、物資を持って出向き、各避難所の物資の過不足を確認する調整役も担いました。

「1人でも多くの避難者に、できる限りの支援をする」

それがロビンとブミセハット助産院の支援活動なのです。

3.ブミセハット助産院からの支援ニーズ

世界中からの寄付で無償医療を提供するブミセハット助産院に、緊急支援をする予算も余裕もありません。
そのため、通常時の運営費を優先すると避難民の食べ物がなくなり、緊急支援を優先すると今度は運営費が大幅に不足してしまう状況になってしまいました。

しかしロビンには「目の前で困っている人を助けない」という選択肢はありません。そのため、避難民のために通常の運営費を削って支援を提供していましたが、このままでは今度は通常のクリニックの運営に影響が出てしまいます。

そこで、アース・カンパニーはロビンの支援活動に協力し、ブミセハット助産院が避難民へ生活・医療支援を行うために必要な58万円を目標とし、2017/12~2018/2の3ヶ月間、緊急ファンドレイジングを実施いたしました。

4.みなさまの支援で実現できたこと

アグン山噴火緊急支援は58万円の支援目標額の約3倍となる195万円のご支援を賜り、無事達成いたしました!
みなさまのおかげで、避難民は無事に2017年の年越しをすることができました。避難生活が想定よりも長引いたため、途中不足が懸念されたお米の提供も日本から支えることができ、避難命令が解除された2018年2月には、避難民もそれぞれの自宅に無事に戻っています。

温かい多くのご支援を、本当にありがとうございました!!!

今回、目標額を大きく上回った支援額につきましては、ロビンからの依頼により今後の緊急対応に備え、避難民を受け入れることができる施設(緊急時以外は教育事業を行うユースセンターとして活用)の建築のために大切に使わせていただく予定です。この建築計画については、進捗を引き続き報告させていただきます。

5.現在の状況

噴火警戒レベルが引き下げられた2018/2に、ブミセハット助産院に避難していた避難民全員が自宅へ戻りましたが、彼らの生活が元通りになったわけではありません。

数か月に及ぶ火山活動により、火口周辺の大気には高濃度の二酸化硫黄が含まれているため家畜や作物に影響が出ており、生計の目途が立たなくなってしまった住民も少なくありません。2018/6/27には再びアグン山より1500~2000メートルにもなる噴煙が上がり、2018/6/29には一時的にデンパサール国際空港が閉鎖されるなど、予断を許さない状況が続いています。

今後もアース・カンパニーも、状況に応じて支援が必要になった際には対応していきたいと考えています。

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